BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 第24話感想

 サウザーの必殺技を受けて意識を失ってしまった或人。病院で目を覚ましたもののいまだダメージが大きい彼をDr.オミゴトに任せ、イズは全てのヒューマギアに声をかけ、かねてより計画していたある作戦を実行に移す。

 

 話数的にも物語の折り返し地点へとたどり着いたゼロワンですが、それを祝うかのように、華麗なる逆転劇を描く回。悪意に対抗するためには善意の力が必要だということは以前から語られていましたが、今まで或人に助けられてきたヒューマギアたちの善意のデータが、プログライズホッパーブレードに集積され、メタルクラスタホッパーの制御に成功するという展開は、開始当初よりコンセプトが通じると言われてきた人造人間キカイダーにも通じるもので、非常に素晴らしかったですね。何より、かつて大和田伸也を演技で満足させることができなかったエンジが、俳優という自らの職業技術を生かして見事に垓を欺き大役を果たしたのには、彼の成長を感じました(まぁ、アークの意志に触れたと言うだけであっさり信じてしまう垓も単純すぎるのですが)。ただ、アークに与えられた「人間の悪意」に対し、それに対抗するのがヒューマギアの善意「だけ」というところは、なんだかもやもやします。そこは人間の善意も込めなければならないのではないか、と思うのですが、主人公以外の人間はほとんどが記号的に描かれ、特に飛電インテリジェンスの人間の社員については全くと言っていいほど描かれていない状況では、それは望むべくもありません。大事な回だったのですが、ここで改めてゼロワンの「人間不在」という物語上の弱点が露呈してしまったようにも思えます。

 

 サウザーに見事雪辱を果たし、さらにマギア化したヒューマギアを元に戻す能力をも獲得し、暴走問題については解決したと言えますが、そこで手放しにめでたしめでたしで終わらないのが仮面ライダー。滅がAIMSから脱走してしまいましたが、AIMSはあんな不祥事続きで解体の危機とかないんだろうか…。