BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 第29話感想

 お仕事5番勝負、そしてZAIA編最終回。まぁ前回チェケラがあれだけやらかしてしまった以上、あそこから逆転の目があるとは思っていなかったので、当然と言えば当然の結果でしたが。最終的には或人の抱えていた弱点がもろに敗因となったというところかな、と。いくら理想を語ろうとも、結局のところ人は実利なくしては動かないのであり、或人はその実利を提示できなかったわけです。その点不正だらけとはいえそのあたりをアピールすることに垓は長けていた。まぁ仮にも20年以上経営者を務めていてその程度のこともできなければ、それこそ今まで何をしていたんだという話になるのですが。前から思っていたのですが、結局のところ或人はヒューマギアにどういう存在であってほしいのか、そこのところを彼はいまだにはっきりと表明していないのです。単にヒューマギアに便利な労働力であってほしいならば、それこそ垓の言う通り心を持つことなど不要なのですから、彼らがシンギュラリティに達しないように対策を打てばよい。あるいは彼らにロボットであることを飛び越えて人間の友であることを求めるのならば、彼らに人間と同等の権利を与えることを市民に認めさせなければならない。そういう人間とヒューマギアの関係性の着地点をはっきりとさせないまま、ただ曖昧模糊とした理想を掲げるだけでは、はっきりとした目標を掲げて打てる手を打ってくる敵に勝つのは無理というものでしょう。いろいろと展開が強引で無理がありすぎたZAIA編でしたが、或人を一旦どん底に突き落とし自らの理想とする人間とヒューマギアの関係性について今一度見つめ直す機会を与えることが目的だったのならば、意義あるものだったと言えるでしょう。或人も制作側も、評価を下すのはここから先を見て空になるでしょう。

 

 一方、不破もまた一層大変な状況に。彼の脳に埋め込まれているチップの中身が、滅亡迅雷.net最後の一人、亡の人工知能であることが明らかに。おかげで垓にも迅にもいいように操られる気の毒な不破。彼の性格上自分の頭をショットライザーで撃ち抜いてチップを破壊するとかいう無茶なことも最悪やりかねないのでヒヤヒヤしておりましたが、そこは公式でゴリラ扱いされる男。自らの意志でチップの制御をねじ伏せ、ランペイジバルカンに変身してサウザーとジャッカルレイダーを退けるという期待通りの大活躍。ランペイジバルカンはスピードタイプとパワータイプの攻撃を使い分けるというのはゲイツリバイブっぽいですけど、メタルクラスタを除くこれまでの全てのプログライズキーのデータの全部乗せというのは、ほとんど主役ライダーの能力ですね。今回は彼らしく気合でなんとかしましたけど、これでチップの制御から完全に逃れたというわけでもないでしょうし、彼についても今後の展開が楽しみです。