BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 第30話感想

 或人にとっても我々視聴者にとっても長く苦しいものだったZAIA編が終わり、いよいよ新章へと突入。ZAIA編の間にも、滅の思惑を離れて独自の行動を取り始めた迅など新章へ向けての布石はなされていたので、スムーズに新章へと突入していきましたね。前回も言った通り、今まで或人に関してはヒューマギアにどういう存在であってほしいのかが不明瞭なところがあったわけですが、人間と同じようにヒューマギアの心を大切にしたいと訴えて迅に協力を依頼したり、再起動したイズに対して迅と同様に自分の生き方を自分で決めることを訴えたりと、その立場がある程度明瞭になったのは大きな進歩でしたね。そんな或人の進歩と気合に見合い、サウザーとバトルレイダー2体の3対1でもライジングホッパーで互角以上の戦いを繰り広げる姿は圧巻でした。それにしても、前回の放送後に公開された腹筋崩壊太郎のスピンオフ動画で或人たちが集めていたヒューマギアのデータを収めたプログライズキーが伏線になるとは。あと、イズが今回でシンギュラリティに達したというのはちょっと信じがたいのですが。頭に氷嚢乗っけたりパーカー着てノリノリでラップに参加したり、どう考えてもとっくにシンギュラリティに達していたようにしか見えない…。

 

 ただ、新会社を設立したので或人はまだ社長だとか、ドライバーの所有権も或人個人にあるとか、完璧な法的理論武装で垓を黙らせるのは確かに痛快ではあるのですが、それで勝てるんだったらお仕事勝負で向こうがあれだけ違法行為を繰り返していたのにどうして勝てなかったんだと、そのへんはやっぱりモヤモヤします。前回まであれだけ暴戻を極めていた垓にしても、傘下に置いたエイムズは足抜けした不破に手もなく撃退されるわ、大々的に発表した全ヒューマギアのデータ削除は或人にまんまと先手を打たれてできないわ、直接的に暴力に訴えたら逆にボコボコにされたうえ「覚えていろ」なんて今時どんな悪役でも恥ずかしくて使いそうにない捨て台詞を残して退散するわで、たった1話でメッキが剥がれたなんてものじゃない凋落ぶりをさらすことに。やっぱり脚本の力で無理やり勝たせてもらってたんだなぁと、いまさらながらZAIA編の展開の無理やり具合を実感する回でもありました。

 

 ともあれ、新たに自らの会社「飛電製作所」を立ち上げ、イズとともに夢に向かって心機一転歩き出すことになった。新会社設立というのは予想していませんでしたが、確かに下町ロケットとか陸王とか、町工場的な小さな会社の逆転劇というのは最近の企業ドラマのトレンドでしたね。何より「製作所」という響きがなんだかワクワクしますし、改めて今後の展開を楽しみに見守っていきましょう。