BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 37話 感想

 アークゼロの圧倒的な力の前に窮地に陥る或人。迅がかばってくれたおかげでどうにか撤退することには成功したものの、アークゼロの恐怖を刻み込まれ、曰く「人間を超えた人工知能の力があそこまでとは想像もしなかった」…って、オイ。この期に及んでなんだその甘すぎる認識は。人類に牙を剥いた人工知能がどれほど恐ろしいかは、これまでの滅亡迅雷.netとの戦いで嫌と言うほど味わってきたはずでしょうに。そもそもこんな発言をしてしまうということは、善であれ悪であれ人工知能の可能性そのものを見くびっていたと思われても仕方ないでしょう。そんな調子で、よくヒューマギアに夢を持てなどと口にできたものですね。この期に及んでこんな発言はさすがにひどすぎる。こんな言葉を或人の口から聞きたくはなかったなぁ…。

 

 飛電インテリジェンスでは垓がレイドライザーの一般発売に合わせ、ザイアスペックをわざと暴走させるように福添に指示。今まで法的に悪事を追及されたことがないからといって、完全に調子に乗っていますねこの1000%。ことが露見すれば垓ばかりか会社そのものが吹っ飛びかねないこの暴挙に、事ここに及んでついにクーデターを決意する福添。或人に協力を仰ぎ、復元したシェスタの力で垓の悪事のデータを収集し、経営会議にかけることに。だから、そんな正当な法的手続きであいつを縄にかけることができるなら、そんなことしなくてもお仕事勝負の時の悪事の数々を見てきたイズの記録映像でも出せば、とっくの昔に解決してるでしょうに。それはともかく計画は実行に移され、当然のことながら悪事の記録が出るわ出るわ。粉飾決算架空請求といったものから、パワハラモラハラ、挙句に欠勤理由の虚偽申告などという五月病の新入社員みたいなものまで。罪状に合わせてきれいに記録がフォルダ分けされていましたが、データを見つける端からシェスタが分類していったのか、それとも最初からあんな風にフォルダ分けされていたのか。後者だとしたら自分を破滅に追い込む記録をわざわざ残すばかりかご丁寧に整理していたことになり、ますますあいつの考えてることがよくわかりませんが。ともかく目論見通りデータを収集することに成功した福添は、或人に感謝の言葉を伝えるとともに、人工知能に対して恐怖を抱いた或人の様子を見抜き、「君がヒューマギアを信じないでどうする」と力強い励ましの言葉をかける。極論しちゃうと、福添副社長はまさに或人がこういう状況に追い込まれてるときにこういう言葉をかけるために用意されたキャラだと思いますし、見事にその役目を果たしてくれたのですが、こういうのはもっと早く、お仕事対決のあたりに見たかったなぁ…。

 

 一方、滅亡迅雷.netも垓に対して亡と雷を派遣してわざわざ宣戦布告。仮面ライダー亡に変身した亡は、挨拶代わりに垓の服をビリビリに。ようやく仮面ライダーに変身できたのに、最初の仕事が40過ぎのオッサンの服を破いてパンイチにすることというのは、なんだか気の毒な気がするのですが。怒り心頭の垓は部隊を引き連れて滅亡迅雷のアジトを急襲するものの、滅にすら勝てないのにアークゼロに勝てるわけもなくあえなく敗退。それと入れ替わりに戦いの場へ現れた或人は、いまだ拭えぬ恐怖心を抱えながらも変身し、「お前が怖い! だけど、逃げない!」とアークゼロに挑みかかる。「勇気とは怖さを知ること、恐怖を我が物とすること」というジョジョのツェペリ男爵の名言さながらの、人間のみが持ち得る勇気の力を感じさせる素晴らしいセリフですが、それだけに前述のセリフがますます残念です。しかし、アークゼロの力は依然圧倒的であり、変身解除に追い込まれた或人にアークゼロが迫りますが、なぜか攻撃しようとしていた手を止めて去っていく。一体、アークゼロに何があったのでしょうか。