BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンZ 第3話感想

 特空機2号の建造に必要な予算の獲得に難航するストレイジ。そんな折、トンネル工事が予定していた山で発見された休眠中のゴモラ無人島に移送する作戦が持ち上がる。その作戦に参加するセブンガーを上層部に視察してもらい、活躍をアピールして特空機建造の予算の獲得を狙うのだったが…。

 

 冒頭、セブンガーとギガスの戦闘が展開。高台の上で戦うセブンガーとギガスの様子を下からのアングルで映すカットは明らかに「ウルトラファイト」のオマージュで、妙に懐かしいチープさがありましたね。この戦闘でセブンガーは新兵器・硬芯鉄拳弾を初披露。要するにロケットパンチなんですが、これによってレオから数えても初となる単独での怪獣撃破という輝かしい戦績をあげることに。セブンガーは噛ませ犬でも引き立て役でもない、立派な戦闘能力を持つ対怪獣ロボットなんだというスタッフの意気込みを感じるシーンでした。ウルトラマン第1作の初登場でドラコにやられたときに続き、またしてもウルトラマンと戦うことなく敗退したギガスは気の毒でしたが…。

 

 そして、話は本題となるゴモラの移送作戦へ。パイロットを務めるハルキは花粉症で、今のご時世では怒られそうなほど盛大にくしゃみを連発。せめてマスクぐらいしろと言いたくなりますが、この花粉症のせいでハルキがへまをやらかしてゴモラを目覚めさせてしまうんだろうな…と予想していたら、なんとゴモラもまた花粉症で、自分のくしゃみで目覚めるというまさかの展開。お前は恐竜時代から生きてる生粋の野生の怪獣なのに、なんだってそんな現代病にかかってるんだ。そんなほとんどタロウとかレオあたりでありそうなしょうもない理由で目覚めたゴモラですが、そこは腐っても初代マンを撤退に追い込んだこともある古代怪獣。セブンガーは善戦するもバッテリー切れに追い込まれ、続けてその前に立ちはだかったゼットも、その強大なパワーの前に苦戦を強いられることに。絶体絶命のピンチに追い込まれたとき、ヨウコが落としたウルトラメダルを発見し、なんとかそれを渡してもらおうと必死のボディランゲージで訴えるゼット。テレパシーとか使えるんでしょうに、どうしてわざわざそんなまどろっこしいことを…。それでもなんとかメダルを渡してもらい、揃ったメダルを使って新たな姿、ベータスマッシュへと変身。マン、エース、タロウのメダルによる変身ですが…どうしてもその見た目からはもう一人、「赤いあいつ」のメダルが混ざってるんじゃないかと邪推してしまいます。それはともかく、ティガのパワータイプ、ダイナのストロングタイプと同じく、ベータスマッシュも真っ赤なその見た目に違わぬパワータイプ。ウルトラマン譲りのプロレス殺法、エース譲りの光線技、タロウ譲りのスワローキックと炎の攻撃と、3人のウルトラマンそれぞれの持ち味を存分に発揮した戦い方で、見事ゴモラの撃破に成功するのでした。それにしても、眠っていたところを動かされて花粉症で目覚めたあげく殺されるとは、初代以上にゴモラ本人には何の落ち度もなくて気の毒。まぁこの作品の世界の地球は、特空機以外に怪獣に対する有効な対抗手段もなさそうですし、コスモスやエックスの世界のように怪獣との共存を考えられるような余裕は全くないのでしょうから、仕方ないことでしょうが…。