BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

騎士竜戦隊リュウソウジャー 第47話感想

 気が付くと金城家で目を覚ましていたコウ。買い物を頼まれ外に出たコウはそこでナダと出会い遊び始めるが、やがてクレオンの声に起こされ、夢から現実へと引き戻される。そこではエラスの発した光を浴びた人間たちが全て眠らされ、ティラミーゴたちが巨大化したエラスと戦っていた…。

 

 街を一瞬にして荒野と化す圧倒的なパワーを見せつけるとともに、人間たちを眠らせそのエネルギーを利用してこの星を創り直そうとするエラス。よくよく考えるとリュウソウ族やドルイドンと違って人間をエラスが創ったとは言われていないので、そんな好き勝手される理由はないのですが、この造物主気取りにはそんなことは関係ないのでしょう。さらに、夢の中は失敗も絶望もない世界であり、そこに浸り続けることが人間たちにとっても幸福だと語るエラス。カナロを始め、リュウソウジャーたちもまたその言葉に呑まれかけましたが、そのとき真っ向から異を唱えたのがアスナ。夢の中でいくらご飯を食べたところでおいしくないというのはいかにも彼女らしいですが、そこからエラスの見せる夢の世界に仲間はいない、仲間と手を取り合って過ちや失敗を恐れずに立ち向かっていくことが生きるということなんだと叫ぶのは、まさにこれまでのリュウソウジャーの物語の積み重ねの集大成でしたね。レッドであるコウではなく、アスナにこれを言わせるというのが素晴らしい。たとえ誰かが折れそうになっても、仲間が奮い立たせる。これまでリュウソウジャーで繰り返し描かれてきた展開が、ここでも最高潮と言える興奮を呼び起こすとは。アスナを演じる尾碕さんの迫真の演技もあって、最終回の一話前の盛り上げ方としてはスーパー戦隊の歴史を見渡してみてもトップクラスに入るものになったのではないでしょうか。騎士竜たちも終結し、決戦の舞台は整った。いよいよ次回、最終回!!