BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

魔進戦隊キラメイジャー エピソード43 感想

 ロードガルザによって連れ去られたオラディン王を救うべく、ヨドンヘイムへの潜入を決めるキラメイジャー。敵の本拠地に乗りこむわけですから、普通だったらそんな簡単に行けるはずはないのですが、クランチュラが充瑠の頼みを聞いてそこはあっさり解決。いや、まさか一緒にお絵かきを楽しんだのがこんなかたちでつながってくるとは。

 

 ヨドンヘイムにたどり着いた充瑠たちが目撃したのは、バスラの口に吸い込まれまいと必死に走ってるオラディン王。わざわざヨドンヘイムに連れてきたうえでの処刑方法としては、なんだか生易しい気もしますが。ノープランで王様を助けに入った充瑠は、なぜか一緒に走りながら幼い頃のガルザについて尋ねる。王様曰く、かつてガルザは伝説の英雄になる資格があり、世界を救う選ばれし勇者になるはずだったが、今は悪の攪乱者になってしまった、と。そしてオラディン王が充瑠にあとを託したとたん、ガルザによって連れ去られる充瑠。ついにオラディン王はバスラの口の中に吸い込まれてしまう…が、すぐにバスラの口をこじ開けて自力で脱出しそうになる。どこまで不死身なんだ、この王様。それを見ていた為朝たちは、フルチャージしたキラフルゴーアローの一撃でバスラを撃破。救出したオラディン王と共に、充瑠を助けに向かうことに。

 

 一方、連れ去られた充瑠はガルザと一騎打ちすることに。普通だったら緊張感あふれる場面になるところですが、互いに中二病全開なネーミングセンスの必殺技の応酬を重ね、どんどんテンションを上げていく充瑠。ガルザの持つひらめきの力を確信した充瑠は彼を神絵師とまで呼び、一緒に絵を描きたいと訴える。長きに渡って刃を交えてきたガルザに対してさえ、キラキラしたところを見出せば敵として対するのをやめ、共に表現することを楽しませようとする。充瑠のとてつもない器の大きさと、クリエイターとしての純粋さもこれほどであったかと、改めて驚かされましたね。充瑠のその言葉に、かつて兄と共に楽しく絵を描いていた日々を、そして、自分が兄を大好きだったことを思い出したガルザ。自らの所業を悔やむガルザに、カナエマストーンの力でクリスタリアを復興し、もう一度やりなおそうと励ます充瑠。しかしその時、ヨドン皇帝が突如として復活。ガルザを自らの中から追い出し、かつてクリスタリアを侵略するため、邪魔になるガルザに兄を憎む心を植え付けていたことを明かす。まさかガルザがああなったのが、全てヨドン皇帝のせいだったとは。まぁ皇帝は「憎め」としか命じてなかったので、兄に対してああも屈折した感情を見せていたのは、もともと大好きだった兄への感情が憎悪へと強引に歪められた結果だったのでしょうね。また、ジョーキーのチェーンソーをやたら誇らしげに自慢したり、百人一首の詠み手を務めたり、ノリノリでギターを弾いたりといった、これまでガルザが時々見せてきた愉快な一面は、彼本来の素の部分がちょこちょこ顔を出していたのかもしれません。

 

 衝撃の事実を明かされ、慟哭するガルザ。心を操られ、それによってそれまでの人生を台無しにされたのですからこうなるのが当然の反応ですけど、同じように自分の記憶が植え付けられた偽物であったことを明かされながらも、あっというまに立ち直ってみせたどこぞのゴリラの異常さを図らずも改めて実感することになりました。怒りに燃えるガルザは全身全霊の一撃をヨドン皇帝に放つも簡単に弾かれ、逆に強力な一撃を喰らって消滅。続いてヨドン皇帝が繰り出した攻撃に充瑠も吹き飛ばされ、助けに来た為朝たちの前で谷底へと落下してしまうことに…。