BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021 感想

 今年もやってきたスーパー戦隊冬映画。今回はいつものVS戦隊ではなく、キラメイジャー、リュウソウジャー、そしてゼンカイジャーの3本立て。早速見てまいりましたので、感想を述べていきたいと思います。例によって少しネタバレを含みますので、未見の方はご注意を。

 

◆魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム

 まずはキラメイジャーから。なぜか海岸に打ち上げられていたところに、怪物を連れた謎の女の攻撃を受ける充瑠と為朝。女の正体はあのヌマージョの妹である魔女ミンジョであり、クリスタリアから奪った夢を操れるドリームストーンの力を悪用し、眠りに落ちた人々に悪夢を見せて闇エナジーを奪おうと企んでいた。時雨たちも事態解決のため夢の世界へ入り、この夢を見ている「夢の主」を探そうとするが…。

 スーパー戦隊の映画としては定番の、いつもTVでやっているような話をちょっと豪華に、という方向性の作りの作品でしたが、夢の世界が舞台ということもあって、次々に場面や展開が切り替わる、キラメイジャーらしいなんでもありの楽しい作品でしたね。夢を支配する敵なんて、普通だったらどう倒せばいいかかなり悩ましいところですが、そこからの大逆転の方法も実にキラメイジャーらしいです。また、見てみればわかりますが、「夢の主」に関しては今のTV本編を見ている方ならば、ちょっと感じ入るものがありますね。そして博多南さん…とうとうやりやがった…。

 

◆騎士竜戦隊リュウソウジャー特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ

 続いてリュウソウジャー。こちらはガイソーグの呪縛から解き放たれたナダが仲間になった32話と、仲間になって早々に彼が非業の死を遂げた衝撃の33話の間に起こった出来事を描くという、スーパー戦隊映画としてはとても異色な作品。話の筋としてはいつものマイナソー退治の話ですが、怨念が消失した時点でガイソーグの鎧はただの鎧になっていた、という事実が明らかになったのは驚きでした。それでも一からやりなおし、コウたちの仲間としてふさわしい男になってみせる、というナダの意気込みが描かれるのですが、だったらなおのこと本編で死なせてくれるなよ…という残念な気持ちが深まってしまいました。まぁこれはこれで見られてよかったとは思いますけど、個人的にはやっぱりキラメイジャーVSリュウソウジャーが見たかったですね。限界は超えないためにあると言う戦隊と、限界は超えるためにあるという戦隊のぶつかり合いがどういうものになったのか、やはり興味が尽きません。

 

◆機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集合!!

 最後はゼンカイジャー。これまでのスーパー戦隊が存在してきた並行世界を閉じ込めてきた悪の王朝トジテンド。その侵略から我々の住むこの世界を守るため戦う五色田介人と、4人の機械生命体キカイノイドで結成された機界戦隊ゼンカイジャー。既にこの時点でゼンカイジャーの活躍は一般市民にも知れ渡っているらしく、普通に商店街で買い物をしたりしているのがなかなか笑えました。しかし、トジテンドの大王・ボッコワウスが生み出した怪人スーパー悪者ワルドによって、かつてスーパー戦隊と戦った怪人たちが次々に集結。ピンチに陥るゼンカイジャーだったが、介人の放った起死回生の策で、アカレンジャーからキラメイレッドまでの全レッド戦士が集結する…!

 人間1人、ロボ4人というぶっ飛んだ編成で、放送前から早くも話題になっているゼンカイジャー。どうなるものかと思っていましたが、いざ蓋を開けてみれば、こいつらとにかくうるさい(笑)、あと介人のことが好きすぎる(特にジュランとガオーン)。なんかもうこの映画を見ただけで1クールぐらい見たような錯覚を覚えるぐらい最初から馴染んでます。ただ、敵の方はバスコやザミーゴといった錚々たる幹部クラス怪人が勢ぞろい、味方の方も全レッドが集結、しかもアカレンジャーはちゃんと誠直也さんが相変わらずのドスの利いた声の迫力ある演技を見せているのに、オールレッドVS怪人軍団の戦いがほとんど描かれなかったのはもったいない。まぁ今回はゼンカイジャーのお披露目なので、彼らの戦いぶりをメインに描かなければならないのは仕方ないことではありましたが。それにしても、幹部クラス怪人が雁首揃えてる中で、お前は何をしれっと混ざってるんだ野球仮面…。