BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーセイバー 映画公開記念合体SP 特別章 感想

 夜景の美しい夜の海岸の公園を楽しんでいたところ、突如現れたメギドとも異なる謎の怪人と遭遇する飛羽真。短冊に不穏な願いを書いてはそれを実現し人々を混乱させる怪人を止めるべく、変身して戦いを挑む飛羽真たちだったが、さらにそこへヨホホイヨホホイ歌う謎の金ぴかヒーローまでもが現れ…。

 

 スーパーヒーロー戦記公開記念ということで、ついに実現してしまったゼンカイジャーとのコラボ回。かつてライダー側にとって、コラボすることにこんなにメリットのない戦隊があったでしょうか。トジテンドも界賊も、もともと並行世界間を自由に行き来する能力がある設定なので、連中がセイバー世界にやってくるための段取りを脚本家が頭をひねって考え出す必要もないし、したがってものすごく軽率に連中がセイバー世界にゼンカイジャー世界のトンチキなノリを持ち込むのがひどい。ただまぁ、始まる前はセイバー側が一方的にゼンカイジャー側のノリに浸食されるかと思っていたのですが、意外や意外。ゾックスが変身するたびになぜ踊るのか2度もマジ顔でツッコむ倫太郎はゼンカイジャーにはいない存在だし、怪人の攻撃を喰らってもドリフの爆発オチみたいになる芽依は普段と何も扱いが変わらないし、飛羽真が織姫と彦星の話をするときのイメージシーンは、こんなに本意気でやることはなかったとはいえこういう童話寸劇自体は今まで何度もやってきたし(ヒロインがいるのになぜか織姫役には使わない)で、割とセイバー側も負けず劣らずおかしなところを発揮していたのが面白かったです。一方、短冊に願いを書けばなんでも現実にできるチート怪人のはずのオリヒメワルドが、よくよく振り返ってみるとなぜかその能力を逃げることにしか使っていないことに気が付き、そこからその能力が人間の心理に影響するだけのもので現実には何の変化も起きていないことを看破する、という論理的な問題解決の方法は、いつももっとメチャクチャな方法で解決してるゼンカイジャーと違って、さすが主人公が小説家で本がテーマの作品だなと、久しく忘れていたことを思い出し感心しました。というか、セイバーが始まって以来ずっと見てきましたけど、困ったことに今回が一番面白い。無理にシリアス志向でやるより、もっとこういう方向で話を進めた方が面白かったんじゃないでしょうか、この番組…。

 

 さて、飛羽真たちの協力で無事オリヒメワルドを倒したものの、ただそのまま帰るはずもないのがゾックス・ゴールドツイカーという男。帰りがけに行きがけの駄賃とばかりに凌牙のワンダーライドブックを盗んでゼンカイジャー世界へ帰ろうとしたところ、逃げるその足に神代兄妹がくっついてくることに。まさにゾックスの言う通り「どうなっても知らねえぞ」としか言えないのですが…。