BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ23

 高校球児だった経験を生かして少年野球のコーチをしていた錠。しかしそこへグローブグルマーが現れ、「プロの洗礼ビーム」を子供たちに浴びせて絶望させてしまう。その所業に怒りを燃やした錠は、ハシリヤンに野球対決を挑む。

 

 戦隊では元祖ゴレンジャーの野球仮面以来これまでにも何度かあった野球回(こんなトンチキな回が何度もあるのがすごいですが)。オープニング前のアバンタイトルだけで野球をやることになるまでの流れを全部終わらせる剛腕ぶりに早くも置いていかれそうになりそうになりましたが、それもそのはず。そこから展開されたのはただの野球回に非ず。怪人デザインが島本和彦先生であることをいいことに、合法的に先生の代表作である「逆境ナイン」のパロディをやるという前代未聞の話だったのです。顔面に打球を喰らって錠が伸びている間に、ハシリヤンのインチキルールによって118点差という大差にもほどがある大差をつけられたブンブンジャー。この逆境をいかにして跳ね返し逆転勝利を収めるか…という書いていてもとんでもない話ですが、画面にこれでもかとばかりに矢継ぎ早に繰り出されるこの夏の猛暑よりも熱い島本節の展開の連続に笑い通しでした。こればかりは言葉で語るよりも見てもらうしかありませんね。おかげで9回裏、いよいよ逆転開始という段になって変身した時、「なんで変身せずに生身でやってるんだ」という当然浮かぶべき疑問が全く頭に浮かばなかったことに気づき、ちょっと悔しい気持ちになりました。インチキルールを逆手に取ったやりかたで見事逆転に成功(そのときの点が「119」なのもニクいですね)。続けて「延長戦」というかたちで巨大戦に突入すると、ブンブントレーラーとブンブンレオレスキューが合体したブンブンジャーロボ119が初お披露目。球場を炎に包む敵に対して「ショウカ試合」とうまいことを言いながら攻撃と消火を同時に行い、見事グローブグルマーを撃破。子供たちの笑顔を取り戻したのでした。今後も野球回はあるかもしれませんけれど、ここまでのものはそうそう現れないでしょうね…。