BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ33

 玄蕃、ついにチーム復帰の回。まぁこう言っちゃなんですけど、彼がチームを離れた後も大也たちはディスレース率いるハシリヤンと戦い続けてたわけで、それなら結局玄蕃が一人でディスレースと戦うことに彼のこだわり以外に何の意味があるの?となっていたので、ここらでその迷走を終わらせたのは妥当な判断でしたね。実際大也たちどころか、マッドレックスにまで自分のハンドルを見失ってると思われてたわけですし。しかし、当然ながら大也たちが玄蕃が帰ってくることを誰一人微塵も疑ってなかったのはやっぱりうれしかったですし、玄蕃がブンブンジャーの仲間入りをした7話と同じやり取りを大也と交わして仲間に戻ったのもうれしかったですね。ここが私の生き場所だ、というセリフも、前回の明の言葉へのアンサーになってましたし。そしてついに登場したブンブンジャーの強化フォーム、チャンピオンブンブンジャー。端的に言ってしまえばジャケットを羽織るだけという強化フォームとしては異例のシンプルさですが、これはむしろ、アーマーなどの装飾品がほとんどないシンプルなシルエットが元々のブンブンジャーだからこそ似合う強化フォームだと言うべきでしょう。見た目のシンプルさとは裏腹に、ジャケットについたブンブンカーのエンブレムをタッチするとそれに対応したブンブンカーの能力を使用できるという強力な能力にも驚かされました。

 

 しかし、そんな玄蕃の復帰とチャンピオンブンブンジャーの登場が霞んでしまうインパクトを残したのが、マッドレックス様でしたね。自分のハンドルを見失っていた玄蕃に「てめえはまだ、ハンドルを取り戻せる。俺と違ってな…」とさりげなく復帰を後押しするような言葉をかけるし、ブンブンジャーとの戦いで洗脳が解かれた後、ディスレースの策略で自爆が間近に迫る中、宇宙に向かって最期の暴走を行い、誰にもその死に様を見せることなく散っていく。「騒音はお手の物、暴走は俺の物」というセリフの通り、自らのアイデンティティである暴走魂だけは誰にも奪わせないと言わんばかりの見事な最期でした。一度敗死してからの復活、そして再びの最期に至るまで、最後まで株を上げ通しのまま走り抜けたマッドレックスは、スーパー戦隊シリーズの名悪役たちの歴史に確かに名を刻んだでしょうね。