BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週のウルトラマンオーブ 第25話感想

 先週、ナオミがジャグラーの凶刃の前に倒れるという衝撃のラストで終わったわけですが、実際にはナオミは全くの無傷で彼女を人質にジャグラーがガイを呼び出すという若干肩透かしのような展開に。結局、過去にマガゼットン戦で爆風からナターシャを助けたのは実はジャグラーであり、今回もまたマガタノオロチに撃墜されて墜落したビートルからナオミを救ってしまうジャグラーでしたが、それでは今まで散々ガイだけでなくナオミを苦しめてきたのはなんだったのか、という気もしましたね。アバレンジャーアバレキラーの時もそうでしたけど、それまでに重ねてきた悪行があまりにも度が過ぎると、いまさら改心されても素直に受け止められないので、私としては彼にはヒールのまま最期を迎えてほしかったのですが。一方、対マガオロチ戦においては、シンが太平風土記から読み取ったマガタノオロチの弱点が勝利のカギとなることに。ウルトラシリーズでこのように敵の弱点を突いて倒すというのは、ラスボス戦としては珍しいことですね。諸先輩方の力を借りたトドメの必殺光線では、ベリアルもその諸先輩方に加わっていたのがなんとも。戦いが終わり、ナオミに別れを告げて夕焼けの中あの曲を奏でながら去っていくガイ。夕日にきらめく海を背景にガイとナオミが別れの言葉を交わすシーンは、ダンがアンヌに自らの正体を告げるシーンのオマージュにも見えました。

 さて、まだ劇場版が残ってはいますが、ウルトラマンオーブの物語はひとまずこれで終わり。防衛チームは存在していてもほとんど活躍せず、ウルトラマンとその周囲の人々だけで進む異色の物語でしたが、同じコンセプトではありながら消化不良気味だったギンガ第一シリーズよりもずっと熟成が進んでいましたね。SSPのメンバーのキャラに象徴するようにコミカルなノリを基本としながらも、シリアスなところはとことんシリアスに登場人物たちを追いつめていく、非常に緩急に富んだ物語だったと思います。夕陽とともに去っていった風来坊のウルトラマンが再びどのようなかたちで我々の前に姿を現すのか、楽しみです。