BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週のウルトラマンオーブ 第16話感想

 ギャラクトロンとの戦いで危うくナオミを殺しかけたことでガイが彼女のもとから去る一方、被害の甚大さから世間ではオーブに対する非難の声が高まることに。子供向け番組の枠に収まらないウルトラシリーズのハードな一面が顔を出しっぱなしですね。確かにサンダーブレスターの暴走ぶりは目に余るものでしたが、見たところ戦闘が行われたのは山林だったので被害は最小限に食い止められたのでは。あのままギャラクトロンを放置していたらバッシングなどとのんきなことすらやってられなくなったでしょう。そんな論調の中でも、危うく娘が死にかけたにも関わらず、何度も助けられた恩を忘れるなとオーブをかばうナオミの母は言動はエキセントリックですけどよくできた人ですね。一方で「ナオミのためを思って」ガイにはもう関わるなとナオミに諭すあたり、既に彼女はガイの正体に気が付いているのでは?とも思えますね。

 一方、今までに何度もガイの回想に登場した、彼の心に大きな傷を残すことになったマガパンドンとの戦い。それは1908年のロシアで起こり、歴史的には「ルサールカ大爆発」と呼ばれていることが判明。年代と場所からいって、ツングースカ大爆発がモデルなのは明らかですね。さらにナオミの曾祖母はかつてそこに住んでいたことも判明。こうなると、ガイはあの時の戦いでナターシャは死んだと思っているようですが、実は生きていてその後日本に渡り、やがてその子孫としてナオミが生まれた・・・という推理が当然成り立ちます。しかし、もしマガゼットンがその後の魔王獣と同じくジャグラーが復活させたものだったとしたら、次にマガバッサーを復活させるまで100年以上の間が空いていることになりますね。一体その間何をやっていたのやら・・・。

 そのジャグラーも久しぶりにガイの前に登場。当然のようにガイの心の傷に塩を塗りこむようなことを言ったうえで、以前サンダーブレスターに切られたマガオロチの尻尾を召還。これの意味がよくわからなかったのですが、その後まるでオーブのようにゼットンパンドンフュージョンさせたゼッパンドンに自らライブしてオーブに戦いを挑むことに。魔王獣ではオーブに勝てなかったので二体の怪獣を合体させようという発想なんでしょうが、これもダメだったら次は怪獣を機械と合体させて、それでもダメだったら次は神話の存在や歴史上の悪人をモチーフにした怪獣を・・・というどこかで見たことのあるシリーズになりそうです。一応「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」のラスボス同士の合体ということにはなりますが、今まで何度も書いている通り、パンドンは過労死寸前のセブンと戦ったことで強く見えるだけで実力はそんなに高くない、いわば棚ぼたでラスボスになったような怪獣なので、正真正銘の実力者であるゼットンにとっては、世界ランクトップクラスのテニスプレイヤーがはるかに格下の選手と組まされてダブルスの試合をやらされるような、割に合わなそうな話です。実際、光線技の完全防御や瞬間移動といったゼッパンドンの見せた力のほとんどはゼットン由来のものですし、パンドンの得意な火炎攻撃にしても、ゼットンは一兆度の火球という他の追随を許さない武器を持っていますし。まぁそんなゼッパンドンもマガオロチやギャラクトロン同様、サンダーブレスター以外のオーブの攻撃を全く寄せ付けず、さすがにガイも再びあの力に手を出す気にはなれず、ストリウムダイナマイトを目くらまし代わりに使って撤退。そして朦朧とする意識の中で見た夢から醒めた彼の手には、夢の中で渡された白紙のカードが。次回、ついにオーブが本来の姿を取り戻す!