BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

アントマン&ワスプ 感想

 「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の衝撃から早4ヶ月。無論私はあの映画も観たのですが、あまりに情報量が多いうえにラストが衝撃的すぎたため、どう感想を書いていいのか考えあぐねているうちにレビューの機会を逸してしまいました。そしてあの衝撃作から一発目となるのが、「インフィニティ・ウォー」ではホークアイとともに出番のなかったアントマンを主人公とした「アントマン&ワスプ」。前作で描かれたこれまでのマーベルヒーローとは一味もふた味も違うキャラクターがすっかり気に入ってしまったので、続編となる今回はいつものマーベル作品以上に楽しみにしていました。

 「インフィニティ・ウォー」が起こるよりも少し前。「キャプテン・アメリカ/シビルウォー」で、キャップ陣営についてアイアンマンらと戦った結果逮捕されたアントマンことスコット・ラングは、司法取引によりFBIの監視のもと2年間の自宅軟禁の処分を受けていた。そんな軟禁生活もあと3日となった夜、スコットは夢の中でピム博士の妻のジャネットになり、娘のホープとかくれんぼをする夢を見て、それをピム博士に電話で伝えたところ、気が付くとホープに拉致されていた。前作での戦いでスコットが原子よりも小さくなり、そしてそこから生還したことから、ピム博士とホープはかつて同じように量子世界に消えたジャネットを救うために研究を進めていた。スコットが見た夢はジャネットからのメッセージであり、彼女の居所を特定するためにスコットはピム博士に協力するが、ピム博士のラボを狙う兵器ディーラー一味、そして物質を透過する体を持つ謎の敵・ゴーストの襲撃を受けることに・・・。

 結論から言えば、前作で打ち立てた「アントマンらしさ」ともいうべきものをさらに追及した、前作のファンが続編として見たかったものそのものと言ってもいいと思える満足のいく作品でした。アントマンの場合は他のマーベルヒーローよりもギャグ要素が多いですが、今回はさらにそれが顕著。前作でも絶好調だったスコットの親友ルイスのおしゃべりにさらに磨きがかかっていることはもちろん、前述したように自宅軟禁中のため、自宅を抜けてピム博士に協力しているのがFBIにばれないように四苦八苦するスコットのどたばたも見どころ。アントマンのテーマである家族愛についても、スコットの一家やピム博士の一家だけでなく、敵役であるゴーストについてもその誕生については「家族」が関わっているという徹底ぶり。アクションについては前作はスパイアクションの要素が強かったですが、今回は新たにホープがスーツを着て戦うワスプとのコンビネーションや、物体の拡大と縮小、アントマン自身の巨大化といったならではのギミックをふんだんに取り入れた、よりマーベル映画らしいものとなっています。物語の大筋も、母親の救出とラボを巡る争奪戦が主軸となっていて、非常にすっきりとまとまっていました。

 で、マーベル映画としては割と珍しく、なにもかもまるっと収まるハッピーエンドで終わったのですごくいい気持ちだったのですが、毎度おなじみのエンドクレジット後の映像で・・・おのれ、あの紫ゴリラ、絶対に許さん。