BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン31話 感想

 いまだ他のメンバーが唯一その正体を知らないイヌブラザー。その正体について話題となったタロウたちは、これを機にその正体を探ろうとする。一方、前回みほが夏美とそっくりであることを知った翼は、その真相を確かめようとするが…。

 

 31話にしてようやくイヌの正体を本気で探ってみようとなるタロウたち。いや、もう正体不明なのはあいつだけなんだから、もっと早く知ろうとしろよ…。はるかに至っては、正体が犬だと本気で思っている始末。唯一ジロウだけは正解を言い当ててるのに他のメンバーからいまいち信用されてないせいで本気で取り合ってもらえてないのが、笑えると同時にそりゃそうだろうなと納得できるものになってるのがさすがですね。

 

 そこから先の展開は…文章にするとものすごく長くなってしまうので省略しますけど、いつも以上に情報が詰まった複雑な展開を一切の破綻なく30分の枠内に収めた井上敏樹氏の脚本術に、驚嘆を超えて感動すら覚えました。間違いなく今までの脚本家人生で、今が一番筆が乗っていると言えるでしょう。過去に自分が手掛けた戦隊までネタにして来ましたし。「イヌブラザーとキジブラザーがみほを取り合う」という点では何も間違ってないのがほとんど詐欺と言っていいほど巧みだし、これだけ複雑なことをやっておきながら結局物語の本筋は全くと言っていいほど動いてないというのがすごい。他のメンバー同士の正体とかタロウとソノイの互いの正体とかは早い段階でバレることにしたのに、イヌの正体に関してだけはここまで引っ張ってきたということは、井上氏の頭の中にはバラすタイミングとしてもっと最高のものが先に用意されていて、こんなところでバラすのはもったいないということなのでしょうが、ことここに至ってまだバラさないというのは、これはもう下手をすると最終回に至ってもイヌの正体が誰なのか不明のまま…なんていうまさかの事態も、可能性として現実味を帯びてきますね…。