BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

王様戦隊キングオージャー 最終話

 王たちの意思に反し戦場へとはせ参じた六王国の国民たち。そして、ハーカバーカからやってきた死者たち。彼らの懸命な努力によって、王たちは復活を遂げ再びダグデドの面前に立ちはだかった。激戦のさなか、チキューを超える大きさにまで巨大化しチキューを潰そうとするダグデド。しかしその時、王たちはついに超絶怒涛究極完全体キングオージャー完成のカギとなる、「永遠の命」の代用品を見出すのだった…。

 

 「永遠の命」の代用品。そのヒントは、ライオニールが残した「無限に連なる小さき命」という言葉にあった。そう、王たちを信じこの場に集いしすべての民たちの命こそが、「永遠の命」の代わりとなるものだったのだ。「我ら民、王に命を預けよう!」その叫びとともに民たちから発せられた光が王たちの剣と王の証と呼応し、それがゴッドキングオージャーをさらに巨大化させ、ついに超絶怒涛完全体キングオージャーを降臨せしめた。宇宙そのものとも言えるダグデドの部屋で繰り広げられる死闘。だが、今の王たちにとってはそこすら狭い場所に過ぎず、そこに引きこもるダグデドもまた矮小な存在でしかなかった。限界を超え、体が燃え上がっても戦う意志を手放さないシュゴッドたち。その意思を汲み、王たちはついにダグデドを部屋から叩き出し、地に叩き伏せてトドメを刺し、長きに渡るダグデドによる支配に終止符を打ち、彼らの凱旋を待つ民たちのもとへと戻っていった…。

 

 その後、六王国を一つの国家にまとめようという話が持ち上がったが、これは例の如く王たちが勝手なことを言い出してまとまらずご破算に。相変わらず平時においてはまとまりのない王たちだったが、国が一つになるまでもなく、各王国の間で国や種族の垣根を超えた民たちの活発な交流が始まっており、違いを残し互いにそれを許容し合う共存のかたちが生まれつあった。そして新たな危機がチキューに迫ろうとも、王様戦隊キングオージャーはこれからも、民たちとともに民を、国を、星を、守り続けていくことだろう…。

 

 …というわけで、今年も一年、無事見届けることができました。毎年一つの戦隊を見終えた時の感想は感無量であることは言うまでもありませんですが、キングオージャーは通常の戦隊よりもはるかに多くの登場人物が登場して織りなす、一話完結ではなく全ての回が連なった完全なる連続ドラマという類を見ない壮大な物語だっただけに、壮大な叙事詩を読み終えたかのような満足感がありました。これほどまでに壮大かつ緻密な物語を見られたことは、もはや奇跡と言ってもいいでしょう。ここまで続き、これからも続いていくであろうスーパー戦隊の歴史の中にあって、王様戦隊キングオージャーは唯一無二の燦然とした光を放つ作品として、これからも語り継がれていくことでしょう。出演者、スタッフの皆さま、一年間本当にありがとうございました。