BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

特撮ヒーロー番組のつくりかた

特撮ヒーロー番組のつくりかた

特撮ヒーロー番組のつくりかた

 2週間前には発売されていたらしい。どうも最近面白そうな本が出ているのを見逃しがちですね・・・。

 それはともかく。ウルトラマンマックスメビウス牙狼ゲキレンジャー、それに劇場版ギャバンと、数多くの特撮ヒーロー番組の脚本を担当してきた小林雄二氏による一冊。書名こそ「特撮ヒーロー番組のつくりかた」ですが、どちらかといえば、特撮ヒーロー番組を単なる視聴者として見る段階から、より興味を持ってヒーロー番組についてもっと知りたいと思い始めている(つまり、マニアの入口に立っている人)にピッタリな、「特撮ヒーロー番組の楽しみ方」とでもいうべき内容ですね。特撮ヒーロー番組の伝統芸的なお約束から、三大ヒーローシリーズ(ウルトラマン仮面ライダースーパー戦隊)それぞれの特徴と時代による変遷、脚本家の舞台裏に至るまで、数多くの作品を手掛けてきた筆者による特撮愛に満ちた解説が、わかりやすい文章で楽しめます。よくも悪くも入門書的な本なので、既に多くの知識を蓄えているマニアの方には物足りないかもしれませんが、改めて基本を確認する意味ではもちろん有用です。

 以前このブログでも書いた、ハヤタの意識はハヤタのものかウルトラマンのものか?という謎についても触れていました。結論としては、どちらの意志であろうと物語の進行上支障はなく、ウルトラマンとハヤタはドラマの主役としては考えられないほど無個性であるがゆえに普遍的であり、後に続くウルトラシリーズの基礎となりえた・・・ということ。まぁ、それはそうなんですけど、やっぱり気になるなぁ・・・。