闇のトッキュウ1号へと変身し、ゼットと激しい戦いを繰り広げるライト。総裁から明かされる非情の真実、そして、ライトの下した決断は・・・。
ほかの戦隊に比べて(ライダーでもそうですが)主人公が過酷な運命に晒されることで有名な小林靖子脚本のスーパー戦隊ですが、ライトに待ち受けていたのは一層過酷な運命でしたね。同時にこれって、過去の小林靖子脚本のヒーロー番組の総決算のようにも思えます。
- 先に仲間たちを帰して彼らを守るために一人最終決戦に赴くレッド=タイムレンジャー
- 仲間や家族の記憶から消えていく=電王
- ラスボスと同様の存在となっていく=オーズ
- 主人公とラスボスの一部が一体となっている=ゴーバスターズ
小林脚本のヒーロー番組は、ハッピーエンドには収まるけれど八方丸く収まったものにはならないものが多く、重要な誰かがいなくなることが多い(直人、桜井さん、アンク、陣さんなど)んですよね。今回はライトがそうならないことを祈るばかりです。
一方でゼットもまた、悪の首領であるにも関わらず見ていて辛い。冒頭で闇のトッキュウ1号となったライトに言った言葉は、自らが望んでやまないものを持っていた相手が自分と同じ存在になったことに対する怒りや悲しみが満ちていて、HELLSINGで「神の化け物」となったアンデルセンと対したアーカードを思い出しました。「望んでやまないものが絶対に手に入らない」という絶望をこれでもかとばかりに重ねて描いてきただけあって、敵対者としてのゼットには異様な説得力があります。残り2話、絶対に目が離せません。