- 作者: 久正人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/05/09
- メディア: コミック
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遅ればせながら最新刊が出ていたことに気づき購入。最初の話は前回金角・銀角から取り返した太上老君の宝具を斉天大聖に返しに行ったマッコイが、彼の頼みで管理外のキョンシーを探すことになる話。太上老君は「最初の蛇」に殺されたらしいことは前の巻で明らかになっていますが、関帝聖君とか西王母と二郎真君とかすごいのがごまんといる中国神話で孫悟空が主神をやっているのは、彼らも殺されてしまったのでしょうか。「妖怪上がりの神もどき」と自分を評するあたり、昔散々大暴れしていた頃に比べるとずいぶん落ち着いたように見受けられます。最後に彼が見せる粋な計らいも、他の神様と違っていろいろ苦労しながら徳を積んでいった彼らしいものです。
そして残りの話は、マッコイの体の中にある草薙の剣を狙う北欧神話の主神・オーディンの暗躍。北欧神話の神々がラグナロクを回避しようとしているのではなく、逆に派手に戦って死ぬことに美学を見出しており、いずれ自分たちを殺すフェンリルやヨルムンガンドを大事にしまっているというのは面白い。しかし、そんな神々を上回る謀略を見せる「最初の蛇」。リンゴをかじりながら人間に知恵をつけたのは自分だというところからして、やはり正体は奴か。そしてその果てに起きる、十神会議を揺るがせる大事件。今回もすごくいいところで引きますね・・・。
そして巻末の久先生漫画家デビュー10周年記念マンガで、やっぱりジャバウォッキーの続きが読みたくなる。