BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

デッドプール 感想

 金をとって悪人に制裁を加える稼業で日銭を稼いでいた傭兵のウェイド・ウィルソンは、心も体も相性抜群の娼婦ヴァネッサと出会い順風満帆の生活を送っていたが、その幸せの絶頂に末期ガンの宣告を受ける。ガンの治療のため怪しい組織の誘いに乗った彼は、その人体実験によってガンが感知しさらに不死身の体まで手に入れたが、顔面をはじめ全身が火傷を負ったような醜い姿に変わってしまう。ウェイドは自分をこんな目に遭わせた組織の首魁・フランシスを探し出し、復讐と自分の顔の治療をさせるため、赤いコスチュームに身を包んだ復讐者デッドプールとして活動を開始するが・・・。

 というわけで、マーベルコミックスのキャラの中でも群を抜いたイカレ野郎、デッドプールが主役の映画が公開。マーベル映画なのにR-15指定というのがお察しくださいという感じですね。まぁ下ネタ発言がポンポン飛び出す以外は、銃弾が敵の頭をぶち抜く描写がはっきり描かれたり、斬り飛ばした敵の頭をサッカーボールみたいに蹴とばして別の敵にぶつける、といった程度なので、個人的にはそんなに過激ではありませんでした。面白かったのは確かなのですが、デッドプールのキャラはもっとイカレているかと思っていたのですが、自分の欲望に忠実で手段は選ばないことを除けば、普通に話の通じる奴でちょっと拍子抜けしました。「ウォッチメン」のロールシャッハぐらいイカレた奴を期待していたのですが。デッドプールの周りにいるキャラたちも彼に負けないぐらい個性的ですね。銃を調達するなどデッドプールの復讐を助けるけど口さがない行きつけの酒場の店主。デッドプールと同居するコカイン常習者の盲目のババア。デッドプールのアドバイスを真に受けて恋敵をタクシーのトランクに監禁するタクシードライバーなどなど、MCUの映画には絶対出てきそうにない奴らばかり。他にはX-MENのミュータントとして、物好きにもデッドプールX-MENに加えようとしつこく勧誘をかける全身金属の巨漢コロッサスと、生意気な口調と坊主頭が特徴の10代の少女・ネガソニックX-MENたちが暮らすいつもの屋敷は出てくるのにこの2人しか出てこないので、デッドプールが「他のX-MENを出す金がねぇんだろ?」と言ってはならないツッコミを入れたのには笑えました。徹頭徹尾ギャグと下ネタと血にまみれた、わかりやすい復讐エンターテインメント作品。ついこのあいだアベンジャーズがメンバー同士で譲れない信念を巡って大喧嘩を繰り広げたのを見たばかりなので、余計に肩の力が抜ける、頭を空っぽにしてみるには最適の映画でした。