BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ドクター・ストレンジ 感想

 アベンジャーズが二つに分かれて盛大に内紛をやらかした「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」にて波乱の幕開けを告げたMCUフェイズ3。あれから既に9ヶ月が経ち、ようやくフェイズ3の2作目が公開。というわけで、「ドクター・ストレンジ」を見てまいりました。例によってネタバレを含むため、未見の方はご注意を。

 自動車事故で両手の自由を失い、天才外科医としての地位も名誉も失ったスティーヴン・ストレンジ。現代医学では治る見込みのない両手を治すため、一縷の望みを託しチベットへと渡った彼は、大魔術師エンシェント・ワンと出会い、その教えを受けることに。しかし一方では、エンシェント・ワンのかつての弟子であったカエシリウスが異次元の支配者ドーマムゥを地球に呼び寄せようと暗躍しており、やがてストレンジもその戦いに巻き込まれていくことに・・・。

 設定だけ聞くと「インドの山奥で、修業して〜」と日本のヒーロー・レインボーマンとの共通点がいろいろと浮かぶドクター・ストレンジですが、もちろんコミックでの登場は彼の方が先輩。さすがマーベルというべきか、ストレンジもまた性格にかなり難があり、傲慢で頑固、気位も高く「ミスター・ストレンジ」と呼べば必ず「ドクターだ!」と怒鳴り返される始末で、トニー・スタークが可愛く見えるぐらいです。そんな人間がそう簡単にヒーローになれるはずもなく、なかなかまとまらないアベンジャーズと同じく、相変わらずやきもきさせてくれます。

 MCUで魔術系のヒーローといえばソーがいますが、雷を落とすぐらいであとはムジョルニアで殴るのがメインである彼とは違って、飛行はもちろん空間転移、さらには時間操作までやってのけるなど、ストレンジやエンシェント・ワンの見せる魔術はけた違い。とはいっても、魔術師の戦いといえば想像されるのは火の玉や水の竜巻が飛び交うようなバトルですが、本作のバトルも基本的には肉弾戦であることは変わりありませんが。しかし、天地が逆転したり周囲の建物が複雑なからくり装置のように動きだしたり、周囲の時間が逆行する中でのバトルはユニークで見応えがありました。そして特筆すべきは、異次元から地球を狙うドーマムゥとの戦い。こいつはまともに戦えばアベンジャーズが束になったところで蠅のように叩き潰されるしかないのが目に見えているぐらいのとんでもない存在であり、ストレンジはそいつと一人で相対することになるのですが・・・。おそらく、あんな方法で悪の親玉を退けたのは彼ぐらいのはず。必見です。