擬態三羽烏に勝つため、戦兎から禁じられていたグリスブリザードへの変身を遂げる一海。一方先へ進んだ戦兎たちの前にも、擬態リモコンブロスとエンジンブロスが現れる。単身その相手を引き受け戦兎と龍我を先へと行かせる幻徳だったが、苦戦を強いられているところに内海までが現れ・・・。
前半は何といっても内海にまつわる怒涛の急展開に尽きましたね。エボルトの恐怖に屈して寝返ったのではなく、実は難波会長の仇を討つ機会をうかがっていたというところまではまぁ理解できますが・・・まさかまさかのサイボーグ。ずいぶん前にアバンで戦兎がそう揶揄していましたが、まさか与太ではなく本当にサイボーグになっていたとは。衝撃の展開は珍しくないビルドですが、さすがにこれは衝撃を通り越してちょっとそれはどうなんだとツッコみたくなりました。撃たれて海だの川だのに落下してその後生還したキャラなら、平成ライダーの歴史を振り返ればいくらだっているのに、なぜ内海だけはサイボーグにならなきゃならなかったのか。幻徳をかばっての壮絶な最期も印象には残りましたが、やっぱりサイボーグは・・・。
そして後半は、仮面ライダーグリス最期の戦い。グリスブリザードの純粋なかっこよさも相まって、すさまじい気迫のあふれるバトルでした。特に最後のライダーキックは、平成ライダーの中でもベスト3には入るかっこよさではないでしょうか。そして、美空に看取られながら笑顔を浮かべて消滅していく一海。音也といい、武田航平さんの演じる仮面ライダーはどうしてこう、「愛に生き、愛に死す」としか呼べない美しい生き様を見せるのでしょうか。最後まで一海の前ではその名を呼ばなかった美空が、ドッグタグを握りしめ号泣しながら初めて彼の名を呼ぶのも、悲しくも美しいシーンでした。
ようやくパンドラタワーの最上階まで達した戦兎たち。合流した美空から一海の消滅が伝えられ皆が悲しみに暮れる中、いつもの調子で現れたエボルト。ここまで登場人物が抱いているのと同じ殺意を視聴者にも抱かせる悪役もそうはいませんね。
