BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 38話 感想

 今回はまぁ、どう感想を書くべきなのか、今までで一番困っているのですが…端的に言ってしまうと、「やっぱり無理がありすぎた」の一言に尽きますね。この物語で起こっている全ての悪い出来事の元凶と言って差し支えのない奴を、主人公側の味方へと180°舵を切るというのは、おそらくはどんな優れた脚本家であっても観客の納得のいくかたちで実現するのは不可能であると思います。ましてやその役割を、いきなり現れたAIBOに担わせるとは、いくらなんでも無理がありすぎました。これまで垓について匂わせてきた、飛電是之助に対してコンプレックスを抱えているような描写は、一体何だったのか。また、垓ほどでないにしても、唯阿がザイアを辞めてなおAIMSの隊員たちに隊長として慕われているというのも、それを納得させるに足る描写がなかった点においては同じことです。不破の当初のキャラの根幹を為していた記憶を捏造されたものとして処理してしまったことといい、個々の登場人物たちの物語の連続性を突然断ち切って、脈絡もなく無理やり別の物語を接ぎ木するような展開が横行し、物語全体の根幹を為す登場人物たちの一貫性はもはや崩壊してしまっていると言えるでしょう。そこに登場し、登場人物たちの悩みを告白させてはあっさりと解決していくアイちゃんは、まさにデウス・エクス・マキナそのものです。もはや滅亡迅雷.net以外のヒューマギアが深く物語に関わってくることもなく、まるで別の物語を見ているようです。現時点でこの状態では、納得のいくかたちでこの物語の結末を見届けることはもはや望めないでしょうね…。