BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンZ 第21話感想

 回収されたバラバの残骸をもとに、ヤプールの能力を応用して開発された新兵器・D4。そのすさまじい威力にハルキたちは戦慄し、使用に反対するが、防衛軍からはキングジョーへのD4の搭載の命令が通達される。そんな時、宇宙からD4のエネルギーに引き寄せられた怪獣が出現し…。

 

 タカ派の軍人が登場し、人類には過ぎた力である兵器の行使を迫り、それが物語最大の危機へとつながっていく。ウルトラシリーズではこれまでにも度々描かれてきた展開ではありますが、ウルトラマンZではキングジョーストレイジカスタムの登場あたりから、軍拡路線の果てに待つ危機を予感させる不穏な空気を漂わせてきたので、これまでの他の作品に比べれば自然というか、来るべきときが来たと思わせるものですね。まぁ段取りとしては丁寧ではありますが、それにしたってヤプールの技術を盗用した兵器を使おうなんていうのは、いくらなんでも正気の沙汰とは思えません。しかもその兵器を、おそらくはペダン星人からバロッサ星人が盗んだのをさらに盗んで改造したも同然のキングジョーに搭載しようというんですから、もはやなりふり構うとかそんなレベルじゃない状態です。不確定要素であるウルトラマンにばかり頼れないという長官の言はもっともですし、現にギルバリスやらグリーザやらウルトラマンですら手に余りかねないような奴らまで攻めてきてる以上、切羽詰まってるのはわかりますけど…。

 

 それに対して、ユカは原理も完全に解明されていない兵器を使うのは危険すぎるという科学者としての見地から、バコさんたち整備班は使用に耐えられない危険のある兵器をキングジョーに搭載するわけにはいかないという技術者としての見地から、それぞれ猛反対。注目していたのはジャグラーの出方でしたが、彼もそれらの意見に同調し、長官(おそらくはセレブロに寄生されている)からの命令に逆らってでもD4の使用に抵抗するというものでした。前にも書いた通り、私は彼がこの宇宙で防衛チームの隊長をやってるのは、人類に独力で怪獣や宇宙人の脅威を退ける力を持つように働きかけることで、その結果としてウルトラマンを不要の存在とするのが狙いではないかと思っていますが、さすがにそのためには出所が怪しいうえに危ない兵器の使用を是とするほど愚かではないようですね。ただ、その抵抗の結果、ストレイジにはまさかの解散が言い渡されることに。MATですら「○○」できなければ解散」という猶予が与えられていたというのに。もちろんこれで黙っているジャグラーではないでしょうけれど、彼の思惑やいかに。