BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンZ 第23話感想

 D4をコントロールするため、ウルトラマンを解析して建造された特空機4号機、ウルトロイドゼロ。その起動実験が行われようとしていたまさにそのとき、各地から複数の怪獣が出現し、ウルトロイドゼロへ向かって進撃を開始した…。

 

 ついにそのヴェールを脱いだウルトロイドゼロ。どうしてゼットではなく明らかにゼロがモデルなのかはわかりませんが、単にD4の運用母体というだけでなく、バリアやスラッガーも使うことができ、3体の怪獣をまとめて相手取ることができるあたり、これまでの特空機の集大成と呼ぶにふさわしい性能は持っているようですね。ただ、肝心のD4に関しては、制御自体には確かに成功しているものの、撃ったらパイロットは気絶、機体は行動不能という惨憺たる有様。D4の過剰な威力もさることながら、一発撃つだけで大規模なメンテナンスが必要な状況に陥るというのは、運用上看過できない欠陥としか言いようがありません。まぁ人造ウルトラマンなんか造ったらどうなるかは、他の作品でいくつも事例を目にしてきたので、ろくなことにならないのはわかりきっていましたけど。結局のところこういうものを作ってしまうのは、ウルトラマンを単に「強大な力」としてしか認識できず、安易に同じ力を求めてしまうからなのでしょう。M78ワールドではこういった兵器が作られることはありませんでしたが、それはあの宇宙の地球が何人ものウルトラマンによって守られる過程で、地球人の方にもウルトラマンをどういう存在として捉えるかについて、精神的成熟が進んでいたからではないでしょうか。その結果として彼らが生み出したのが人造ウルトラマンではなく、「ウルトラマンを助けるための兵器」として作られたファイナルメテオール・スペシウムリダブライザーだったのは、まさに象徴的だったと思います。ニュージェネが始まってからいくつもの宇宙にウルトラマンが現れましたけれど、どの宇宙の地球人にとってもそれはいまだウルトラマンとのファーストコンタクトの段階に留まっている状態です。それぞれの地球の地球人たちは、単にウルトラマンから守られるだけでなく、ウルトラマンといかに関わり、自らの手で地球を守るために何をするべきか、深く考えていく必要があるでしょう。

 

 そして、ウルトロイドゼロが機能を停止した瞬間を見計らい、ついにハルキの前でその正体を明らかにしたジャグラー。まさにトリックスターとしての面目躍如と言える最高のタイミングで表舞台に躍り出たといえますが、彼が中間管理職に甘んじてまでこの宇宙でやろうとしていることは果たして何なのか。シリーズ最大とも言える謎の答えが、いよいよ次回明らかになります。