海から次々に飛び出し、陸地へ向けて飛行するラドンの大群。その襲来を察知してスクランブル発進する自衛隊機。海水浴客に非難を訴える警察と市役所。そしてついに市街地に襲来し、人々の頭上を我が物顔で通過するラドンの群れ。海から飛び出してくることを除けば、実に怪獣映画らしい映像の連続でワクワクしてきますね。しかし、人は喰わないし口から超音波メスも吐かないとはいえ、あれだけの大群が襲来するのは早くも終末感が漂いますね。一匹一匹は自動小銃でも殺せそうなラドンでも、あれだけの数となると対空機関砲を並べて空に弾幕を張っても完全に駆除することは不可能でしょうけれど、今後はどう備えるつもりなのでしょうか。
そんな中、ラドンの群れの襲来を予期していたオオタキファクトリーの面々はいち早く活動を開始。ラドンを誘導できる電波の発信装置を搭載したバイクでラドンを市街地から引き離す作戦。しかしおやっさん、ラドンの群れの襲来を予期したのはすごいですけど、自分の乗ってる車は発信装置載せてないし、そもそも誘導した後は完全にノープランだし、役に立ってるのかどうかよくわかりませんね。誘導の途中でアクシデントに遭い、建物への避難を余儀なくされるユン達。バスの中に取り残され、ラドンに襲われそうなおやっさんたちを助けるため、即席の鏑矢を作ってたまたまいた弓道部員の女子高生の力を借りて、音によりラドンの注意を引くことに成功。鏑矢をはじめとする、放つと風切り音をたてる矢を放つ行為は、古来から魔よけの儀式でも行うものですが、それがラドンに対して使われるというのは面白いですね。また、鏑矢を射るのは戦の始まりを告げる行為でもありますので、奇しくも人類と怪獣の戦いの始まりを意味するようにも見えました。音によってラドンの注意を引き、その隙にバイクを立て直してラドンの誘導を再開するユンとハベル。群れを市街地から引き離すことには成功したものの、この先どうする…と思っていたら、最初の個体同様突然死してバタバタ落ちてくるラドンの群れ。突然死の理由も気になりますが、もっと気になるのはラドンがまき散らしながら飛んでいた赤い砂のような物質。放射線は検出されなかったといいますが、ただの砂であるはずもなく、今後何か恐ろしい事態を引き起こすとしか思えません。
一方、もう一人の主人公である銘は、論文に興味を持ってくれた李博士の代理人を名乗る自称ジャーナリストの海から、アーキタイプと呼ばれる、中に花の入った透明のキューブ状の物体を渡されることに。こっちの方は話とどう関わってくるかまだわかりませんが、ユン達が最前線での怪獣への対応に当たり、銘が怪獣はなぜ出現するのかといった根本的な謎に挑むというかたちで役割分担が進みそうなのは見えてきましたね。
そして、ラドン騒ぎもまだ収まらぬ中、海ではアメリカの潜水艦が生物と思われる正体不明の巨大な物体を検知。そこに迫るのは、ウナギのように長大な体をくねらせながら泳ぐ赤い怪獣。その登場と共に流れる、第1話のラストと同じ聞き慣れたメロディ。まさか、こいつが…!?