BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

機界戦隊ゼンカイジャー 第14カイ! 感想

 いきなり現れるなり味方のはずのダイリサイクルワルドを倒したバトルシーザーロボ。ステイシーはゾックスに対し、ゾックスが探しているトジルギアを報酬にゼンカイザーを倒す取引を持ち掛ける。ゾックスは自分をトジテンドに連れていくことを条件にその取引に応じるが…。

 

 ステイシーと取引し、再び介人に決闘を申し込んでくるゾックス。いくら取引の内容について正直に話してくれたからとはいえ、自分にとっては何のメリットもない決闘を受けるとは、介人もよくよく人がいいですね。まぁ結果的にはこれがプラスに働いたわけですが。決闘は互いにセンタイギアを駆使してのぶつかり合いに…はなったものの、バトルフィーバーJのギアを使った介人が踊り出し、負けじとゾックスも踊り出すあたりは、とことんシリアスになりきれませんねこの番組は。しかし、ゾックスがコグマスカイブルーの力で巨大化するというほとんど反則のような技を使い、大爆発の中に消えてしまう介人。

 

 勝負あったのを見届けて現れるステイシー。が、当然ながら端から約束を守るつもりなどなく、ゾックスに銃口を向けるステイシー。しかしそのとき、一発の銃撃がステイシーを止める。見ると、空中に胡坐をかいてフワフワ浮いてる介人の姿が。マスクマンのセンタイギアの力で空中浮遊し、やられたように見せかけていたのだ…って、それマスクマンというより姿長官の能力では…。最初からステイシーの魂胆を見抜いており、裏をかくために一芝居打っていた介人とゾックス。まんまと騙されたステイシーはものすごくショックを受けたような顔をしてましたけど、向こうに信用されてないのは明らかなんだから向こうも騙しにかかる可能性は考えて当たり前なのに、そのあたり何も考えていなかったんですかね。純真というかおめでたいというか、いずれにせよやっぱり悪役に向いてません。だいたいツーカイザー一人が相手でも勝てるかどうかわからないのに。おまけにゾックスには「だってお前より介人の方が面白いんだよ」と、遠回しにお前はつまらないとまで言われてしまう始末。楽しいことなんか一つもなかったであろう過酷な人生を送ってきたステイシーにこんなことを言ってしまうとは、ゾックスもそんじょそこらの悪役なんかよりよっぽど残酷なことしますね。まぁステイシーの生い立ちを知ってるのはゼンカイジャーでゾックスは知らないんでしょうけど、知ってたところでやっぱり平気で言いそうなんですよね、ゾックス。

 

 ここまでされれば当然キレるステイシー。ジャッカー電撃隊のニセモノを召喚して攻撃させるも、介人のアドバイスを受けて同じくジャッカーのギアを使ったツーカイザーはビッグワンの力でジャッカーに命令を下し、逆にジャッカーに攻撃されて追い詰められるステイシー。ギアを使って現れたビッグワンの幻影が妙な間で近づいてくるのが、宮内さん特有の間を再現していて笑いました。というかセッちゃん、ビッグワンの「権力」って…そりゃまあ確かにそうなんですけど、公式がそこまでぶっちゃけるのはいかんでしょ。今度はバトルシーザーロボに乗り込み、ツーカイオーに一騎打ちを挑むステイシー。しかし、チェンジドラゴンとブーバの決闘を思わせる夕日を背にした対決の末に、ツーカイオーの必殺技が決まり、哀れバトルシーザーロボは爆発四散。話としてはゼンカイジャーとツーカイザーが力を合わせてトジテンドの企みを打ち破ったことになりますけど、実際はただひたすらステイシーがかわいそうな回でした。彼、悪役としてものすごく真面目なんですけど、その真面目さゆえにトンチキなノリが支配するこの世界においては哀しきピエロと化して空回りしてるんですよねえ。この世界では真面目な奴はバカを見るだけだと、いつか気づくことができるのか。