BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

機界戦隊ゼンカイジャー 第35カイ! 感想

 ハカイザーの正体が功博士であることを知ったジュランたちだったが、介人やヤツデに真実を伝えるかどうか悩むことに。何も知らずに介人がハカイザーを倒してしまうようなことになってしまったら大変なので、ジュランが代表して介人に伝えることにするが、その矢先、街に現れたダイヤワルドの攻撃を受け、ジュランたちは「ダイヤ」しか口にできなくなってしまう…。

 

 ハカイザーの正体が介人の父親という衝撃の事実を知ってしまい、言うべきか言うまいか悩むジュランたち。それを打ち明けようとした矢先、敵の攻撃によって意思疎通ができなくなってしまい、介人がハカイザーを倒してしまう危機が訪れる…と、それ自体は他の戦隊でもあってもおかしくなさそうな流れですけど、それを(筆談込みで)ダイヤしか言えなくなってしまう、という手段でやってしまうのがこの番組。ダイヤしか言えない状態にすることを「口を固くした」とは言わないだろ普通…。「ダイヤ」のみで悩める心情を表現する高度な演技を求められた浅沼さんたちは、本当にご苦労様です。

 

 そんなジュランたちの危惧通り、ハカイザーと手を組んだステイシーと介人が戦いを始めてしまう。その結果、再びハカイザーの充電が切れてマスクが消え、介人もまたハカイザーの正体を知ることに。功博士もまた自我を取り戻し、息子との再会を喜んだのもつかの間、ステイシーによって連れ去られてしまう。いやもう、いつになく感情をあらわにして衝動的に功博士を連れ去るステイシーが悲痛で悲痛で…。なにしろ、自分はもう母親には会えないのに、目の前で父子の再会を見せつけられたわけですし、しかもこのままではようやくできた仲間=ハカイザーを奪われてしまうことになるわけですから、ああなるのもわかりすぎるぐらいよくわかります。ヤツデから心の平穏を貰い、美都子博士から輸血を受けて命を救われ、功博士が初めての味方になってくれた…気づけば介人の家族からかけがえのないものをもらっていたのに、それらは本来は介人のものなのだということを改めて突き付けられるこのエグい展開。介人の方はショックを受けつつも相変わらずのポジティブさでとにかく父が生きていてくれたということを喜び、さらにジュランたちとの絆を深めたのと対比すると、どこまでもステイシーだけが非常な展開を背負いますね、この作品…。

 

 そんなステイシーの悲痛さに目を奪われた回でしたけど、介人たちが戦っている間に一人でダイヤワルドを倒したゾックス。ジュウオウザワールドの力…というより、趣味である釣りで海に逃げたダイヤワルドを釣り上げて倒したものの、戦いが終わった後に急に気分が沈んでポツンと一人体育座りをすることに。今までほかのセンタイギアでこんな副作用なんか出たことなかったのにこんなことになるとは、恐るべしみっちゃんのネガティブパワー…。