BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーセイバー 第23章 感想

 芽衣の提案で、組織内の裏切者の存在について、ソードオブロゴスのトップであるマスターロゴスに報告するために、マスターロゴスのいるサウザンベースへの潜入を計画する飛羽真たち。一方ストリウスの方も、サウザンベースに保管されている「禁書」の奪取を目論んでいた…。

 

 敵も味方もサウザンベースに忍び込む回。ヒーローにも怪人にも同時に忍び込むのを許す正義の組織の本拠地というのは、どうなんでしょうね。ちなみに東映公式サイトの説明によると、ノーザンベースとサウザンベースは単なる管轄地域の違いで分かれているのではなく、ノーザンベースは聖剣を持つ剣士たちが集う前線基地、サウザンベースは文人や賢者が集い組織の運営や意思決定を行う中央組織、という性格があるようです。結構重要な設定だと思うのですが、こういうのは本編でちゃんと説明してくれないと…。

 

 サウザンベースに潜入したストリウスは、途中マスターロゴスと遭遇。マスターロゴスがストリウスを呼ぶときに言った「はじまりの人」という言葉が今回一番気になりましたね。一方飛羽真は単独行動中に一人の衛兵の誘導に乗り、行きついた先で禁書を手に入れたストリウスと鉢合わせ。まぁこの展開を見るだけでも、組織内の裏切者、マスターロゴス、衛兵がどういう関係なのかは、大体察しがつきますが…。

 

 ストリウスは早速禁書の力を試そうとするものの、想定外の力に驚いているうちに飛羽真の手に禁書が渡るのを許すことに。ストリウスお前…自分で制御できるかどうかもわからんものに手を出したのか。次から次へといろんなものに手を出していますが、本当にこいつは目的に近づいているのやら。一方、禁書はワンダーライドブックへと変化し、飛羽真の意思を支配して、禍々しい姿のプリミティブドラゴンに変身。戦いに乱入してきたレジエルもろとも、ストリウスをボコボコに。中盤恒例の暴走フォームですが、変幻自在の飛電メタルで攻防一体の多彩な技を繰り出したゼロワンメタルクラスタホッパーと違って、純粋に圧倒的なパワーで敵を叩き潰すタイプのようですね。まだ烈火の力も完全には引き出せていないというのに、また厄介なライドブックが加わりましたが、果たしてこれをどう使いこなすのか。

スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021 感想

 今年もやってきたスーパー戦隊冬映画。今回はいつものVS戦隊ではなく、キラメイジャー、リュウソウジャー、そしてゼンカイジャーの3本立て。早速見てまいりましたので、感想を述べていきたいと思います。例によって少しネタバレを含みますので、未見の方はご注意を。

 

◆魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム

 まずはキラメイジャーから。なぜか海岸に打ち上げられていたところに、怪物を連れた謎の女の攻撃を受ける充瑠と為朝。女の正体はあのヌマージョの妹である魔女ミンジョであり、クリスタリアから奪った夢を操れるドリームストーンの力を悪用し、眠りに落ちた人々に悪夢を見せて闇エナジーを奪おうと企んでいた。時雨たちも事態解決のため夢の世界へ入り、この夢を見ている「夢の主」を探そうとするが…。

 スーパー戦隊の映画としては定番の、いつもTVでやっているような話をちょっと豪華に、という方向性の作りの作品でしたが、夢の世界が舞台ということもあって、次々に場面や展開が切り替わる、キラメイジャーらしいなんでもありの楽しい作品でしたね。夢を支配する敵なんて、普通だったらどう倒せばいいかかなり悩ましいところですが、そこからの大逆転の方法も実にキラメイジャーらしいです。また、見てみればわかりますが、「夢の主」に関しては今のTV本編を見ている方ならば、ちょっと感じ入るものがありますね。そして博多南さん…とうとうやりやがった…。

 

◆騎士竜戦隊リュウソウジャー特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ

 続いてリュウソウジャー。こちらはガイソーグの呪縛から解き放たれたナダが仲間になった32話と、仲間になって早々に彼が非業の死を遂げた衝撃の33話の間に起こった出来事を描くという、スーパー戦隊映画としてはとても異色な作品。話の筋としてはいつものマイナソー退治の話ですが、怨念が消失した時点でガイソーグの鎧はただの鎧になっていた、という事実が明らかになったのは驚きでした。それでも一からやりなおし、コウたちの仲間としてふさわしい男になってみせる、というナダの意気込みが描かれるのですが、だったらなおのこと本編で死なせてくれるなよ…という残念な気持ちが深まってしまいました。まぁこれはこれで見られてよかったとは思いますけど、個人的にはやっぱりキラメイジャーVSリュウソウジャーが見たかったですね。限界は超えないためにあると言う戦隊と、限界は超えるためにあるという戦隊のぶつかり合いがどういうものになったのか、やはり興味が尽きません。

 

◆機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集合!!

 最後はゼンカイジャー。これまでのスーパー戦隊が存在してきた並行世界を閉じ込めてきた悪の王朝トジテンド。その侵略から我々の住むこの世界を守るため戦う五色田介人と、4人の機械生命体キカイノイドで結成された機界戦隊ゼンカイジャー。既にこの時点でゼンカイジャーの活躍は一般市民にも知れ渡っているらしく、普通に商店街で買い物をしたりしているのがなかなか笑えました。しかし、トジテンドの大王・ボッコワウスが生み出した怪人スーパー悪者ワルドによって、かつてスーパー戦隊と戦った怪人たちが次々に集結。ピンチに陥るゼンカイジャーだったが、介人の放った起死回生の策で、アカレンジャーからキラメイレッドまでの全レッド戦士が集結する…!

 人間1人、ロボ4人というぶっ飛んだ編成で、放送前から早くも話題になっているゼンカイジャー。どうなるものかと思っていましたが、いざ蓋を開けてみれば、こいつらとにかくうるさい(笑)、あと介人のことが好きすぎる(特にジュランとガオーン)。なんかもうこの映画を見ただけで1クールぐらい見たような錯覚を覚えるぐらい最初から馴染んでます。ただ、敵の方はバスコやザミーゴといった錚々たる幹部クラス怪人が勢ぞろい、味方の方も全レッドが集結、しかもアカレンジャーはちゃんと誠直也さんが相変わらずのドスの利いた声の迫力ある演技を見せているのに、オールレッドVS怪人軍団の戦いがほとんど描かれなかったのはもったいない。まぁ今回はゼンカイジャーのお披露目なので、彼らの戦いぶりをメインに描かなければならないのは仕方ないことではありましたが。それにしても、幹部クラス怪人が雁首揃えてる中で、お前は何をしれっと混ざってるんだ野球仮面…。

魔進戦隊キラメイジャー エピソード43 感想

 ロードガルザによって連れ去られたオラディン王を救うべく、ヨドンヘイムへの潜入を決めるキラメイジャー。敵の本拠地に乗りこむわけですから、普通だったらそんな簡単に行けるはずはないのですが、クランチュラが充瑠の頼みを聞いてそこはあっさり解決。いや、まさか一緒にお絵かきを楽しんだのがこんなかたちでつながってくるとは。

 

 ヨドンヘイムにたどり着いた充瑠たちが目撃したのは、バスラの口に吸い込まれまいと必死に走ってるオラディン王。わざわざヨドンヘイムに連れてきたうえでの処刑方法としては、なんだか生易しい気もしますが。ノープランで王様を助けに入った充瑠は、なぜか一緒に走りながら幼い頃のガルザについて尋ねる。王様曰く、かつてガルザは伝説の英雄になる資格があり、世界を救う選ばれし勇者になるはずだったが、今は悪の攪乱者になってしまった、と。そしてオラディン王が充瑠にあとを託したとたん、ガルザによって連れ去られる充瑠。ついにオラディン王はバスラの口の中に吸い込まれてしまう…が、すぐにバスラの口をこじ開けて自力で脱出しそうになる。どこまで不死身なんだ、この王様。それを見ていた為朝たちは、フルチャージしたキラフルゴーアローの一撃でバスラを撃破。救出したオラディン王と共に、充瑠を助けに向かうことに。

 

 一方、連れ去られた充瑠はガルザと一騎打ちすることに。普通だったら緊張感あふれる場面になるところですが、互いに中二病全開なネーミングセンスの必殺技の応酬を重ね、どんどんテンションを上げていく充瑠。ガルザの持つひらめきの力を確信した充瑠は彼を神絵師とまで呼び、一緒に絵を描きたいと訴える。長きに渡って刃を交えてきたガルザに対してさえ、キラキラしたところを見出せば敵として対するのをやめ、共に表現することを楽しませようとする。充瑠のとてつもない器の大きさと、クリエイターとしての純粋さもこれほどであったかと、改めて驚かされましたね。充瑠のその言葉に、かつて兄と共に楽しく絵を描いていた日々を、そして、自分が兄を大好きだったことを思い出したガルザ。自らの所業を悔やむガルザに、カナエマストーンの力でクリスタリアを復興し、もう一度やりなおそうと励ます充瑠。しかしその時、ヨドン皇帝が突如として復活。ガルザを自らの中から追い出し、かつてクリスタリアを侵略するため、邪魔になるガルザに兄を憎む心を植え付けていたことを明かす。まさかガルザがああなったのが、全てヨドン皇帝のせいだったとは。まぁ皇帝は「憎め」としか命じてなかったので、兄に対してああも屈折した感情を見せていたのは、もともと大好きだった兄への感情が憎悪へと強引に歪められた結果だったのでしょうね。また、ジョーキーのチェーンソーをやたら誇らしげに自慢したり、百人一首の詠み手を務めたり、ノリノリでギターを弾いたりといった、これまでガルザが時々見せてきた愉快な一面は、彼本来の素の部分がちょこちょこ顔を出していたのかもしれません。

 

 衝撃の事実を明かされ、慟哭するガルザ。心を操られ、それによってそれまでの人生を台無しにされたのですからこうなるのが当然の反応ですけど、同じように自分の記憶が植え付けられた偽物であったことを明かされながらも、あっというまに立ち直ってみせたどこぞのゴリラの異常さを図らずも改めて実感することになりました。怒りに燃えるガルザは全身全霊の一撃をヨドン皇帝に放つも簡単に弾かれ、逆に強力な一撃を喰らって消滅。続いてヨドン皇帝が繰り出した攻撃に充瑠も吹き飛ばされ、助けに来た為朝たちの前で谷底へと落下してしまうことに…。

仮面ライダーセイバー 第22章 感想

 双子のフードファイター姉妹を取り込み、再び復活したカリュブディスメギド。双子という同じ遺伝子を持つ人間を取り込めば、光の聖剣でも分離は不可能…という、わかるようなわからないようなストリウスの理論により生み出されたメギドにより苦戦を強いられる剣士たち。しかし、たとえ双子であろうともそれぞれが特別な価値のある人間だ、と叫ぶ飛羽真が再び火炎剣烈火の力を呼び覚まし、それをきっかけとして双子を怪人から分離することに成功。飛羽真の一撃でも一瞬双子を分離しかけましたが、やはり特別な聖剣だけあって、火炎剣烈火はその真の力を引き出せば、最光と同じかそれ以上の力を得ることができる、ということでしょうか。

魔進戦隊キラメイジャー エピソード42 感想

 夢の中で一心不乱に絵を描くクリスタリア人の少年と出会う充瑠。一方ヨドンヘイムでは、一気に地球を汚染して皇帝降臨の準備を整えようと、ヨドン皇帝の人格となり一体化することをガルザが申し出ていた…。

 

 ついに始まったガルザ一世一代の大博打。クランチュラを助けた時点で不退転の大勝負を仕掛けるつもりなのはわかっていましたが、皇帝の人格交代のメカニズムを利用して皇帝の意識を乗っ取るとは。ただ、このガルザ改めロードガルザ、自ら名乗るあたりといい配色といい、ゴルドドライブを彷彿とさせるのが、ガルザ本人にとってなんだかロクなことにならない予感がして仕方ありません。皇帝もあっけなくやられたように見えますけど、他人に自らの意識を渡すリスクを意識せずに何の対策も講じていないとは思えませんし。

 

 そして、充瑠が夢の中で見た少年の正体は、オラディン王ではなくガルザだったことが判明。あのキラキラしていた少年がなんでああなっちゃったのか、次回明らかになりそうです。

仮面ライダーセイバー 第21章 感想

  2000年前の全知全能の書を巡る戦いののち、光の剣と闇の剣をもとに作られた最初の聖剣、それが火炎剣烈火だった…という事実が冒頭で明らかに。思っていた以上に重要なアイテムだったんだなと驚くと同時に、その剣に選ばれた飛羽真をユーリが「力を手にする運命にある」というのも、その誕生の経緯と関わるのでしょうね。しかし、光と闇の剣に関しては、人の手によって作られたのではなく「生まれた」と書かれているのが気になりますね。

 

 今回の話の内容もそんな火炎剣烈火にまつわるものであり、祖父から聞いた「火炎剣烈火の秘めた力を引き出せる者こそ選ばれし者」という一族に伝わる言い伝えから、飛羽真にその可能性があるかどうか確かめる…というより、自らそれを引き出すような勢いで飛羽真に戦いを挑む大秦寺。まぁ、ライドブックに頼りすぎという指摘に関しては、もとからソードオブロゴスにいた剣士と違って、飛羽真は何ヶ月か前までただの小説家だったんだから仕方ないだろ、とは思いますが…。

 

 大秦寺との戦いを経て、火炎剣烈火の眠れる力の一部を引き出した飛羽真。しかし、最終的に全部持っていったのはまたしてもユーリでしたね。これまでとは打って変わってやたらカラフルなうえにアメコミ風演出まで使うエックスソードマンのド派手な戦いぶりで、おいしいところを持っていきました。どこまで行ったらそこが見えるんでしょうか、この人。そして、組織を離れて飛羽真と戦うことを決めた大秦寺も合流。よりにもよって聖剣のメンテナンス担当が一番先に離脱しちゃって、大丈夫なんでしょうか、ソードオブロゴス。

魔進戦隊キラメイジャー エピソード41 感想

 前回の作戦失敗からスランプに陥っているクランチュラ。最高傑作と称し送り出したマネキネコ邪面も、充瑠と瀬奈と小夜を猫化することには成功するものの、あまりに気まぐれで言うことを聞かない始末。そうこうしているうちについてきたネコ充瑠のスケッチブックを見たクランチュラは、同じクリエイターとして刺激を受けるが…。

 

 充瑠とクランチュラ。クリエイターという共通点を持ちながらも、敵同士という以上には深い関係性が描かれなかった二人の意外な交流を描く回。仕事とはいえ自分のポリシーを無視されてひたすら結果だけを上から求められることの辛さは、社会人として共感できるものがあるので、充瑠との交流で創作の楽しみを思い出し、忠誠や侵略よりもクリエイターとしての誇りをとることにしたクランチュラには、よく言ったと思いました。まぁ、とはいっても彼が誇りを抱いているのはあくまで怪人職人としての自分なので、ここから改心するとかそういう展開はなさそうですけど。そもそも前回同じクリエイターの純真な心を利用するような非道な作戦に手を染めたわけですから、自分のクリエイター精神を踏みにじられたとしても文句を言える筋合いでもないでしょうし…。

 

 しかしヨドン皇帝、いくら用済みと判断したとはいえ、貴重な怪人職人を始末して、この先どうやって侵略を進めるつもりだったんでしょうか。ブラック企業の社長そのものみたいな人なので、後任人事のあてもなく衝動的にクビを言い渡した可能性もありますが。そして、あるべき自分を貫いたクランチュラに思うところがあったのか、彼を助けたガルザ。皇帝の意向に背いたわけですからそれなりの覚悟あっての行動でしょうが、次回、どのような一世一代の大勝負に打って出るのか…。