BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

機界戦隊ゼンカイジャー 第2カイ! 感想

 ゼンカイジャーとしてトジテンドと戦うことを決めた介人とジュランは早速さらなる仲間の募集を始めるが、当然ながら思うようには進まない。声をかけてきた動物好きのキカイノイド・ガオーンと友達になる介人だったが、彼も戦ってくれる気はないらしい。一方同じ頃、キノコだらけの世界「キノコトピア」を閉じ込めたトジルギアを組み込まれたキノコワルドが出現。街はキノコだらけになるが…。

 

 街のあちこちにキノコが生えるばかりか、自分の頭にもキノコが生えているというのに、人間もキカイノイドも全く気にする様子がありません。髪を洗ったり、帽子やヘルメットをかぶったりするときに邪魔だと思うんですが…。前回、いきなりキカイノイドが現れてもたった1ヶ月で順応してしまったことに驚きましたけど、もしかするとこの世界の人類、ものすごくおおらかなのでは…。おかげで何が起きてもそう簡単には驚かず、驚異の順応力を見せるのですが、あまりにおおらかすぎるのも危ないのでは。実際今回、そういうことになりましたし…。

 

 そんな中新たに介人たちの仲間に加わったガオーン。キカイノイドに興味がなく、モフモフの動物が大好きという変わり者。犬や猫相手にデレデレしてるからまぁ微笑ましく見えますけど、人間に当てはめれば人間には興味がなくてロボット(それもAIBOASIMOみたいなのではなく工場で動いてるような愛嬌も何もない奴)に頬ずりしてるような奴ですから、言っちゃなんですが特殊な性癖の持ち主ですな。猫だけじゃなく人間の女の子にも普通にデレデレするドラえもんとどちらがまともなのか。まぁそれはともかく、あちこちに生えたキノコが毒胞子を噴き出して人間や動物が苦しむのを見て一転してトジテンドへの怒りを燃やし、ゼンカイジャーの一員となって戦うことを決めるガオーン。性癖はともかくとして、大事なものを守るためにヒーローになって戦うというのはヒーローの動機として極めてまっとうなものでよいですね。戦闘ではハリケンジャーの力を使用。当然のように影の舞を使いましたけど、やっぱりかっこいいですねあの技は。

 

 キノコワルドは倒したものの、直後に現れたクダイテストがキノコトジルギアを踏んづけて壊したことで、暴走したキノコパワーによりクダイテストがダイキノコワルドに変化。イジルデにとっては全く予想外のことだったようですけど、自分が開発したギアのことを完全に理解してないのかこいつ。自分が開発したというのもなんだか怪しいですし、こんなのが科学技術担当で大丈夫なのかトジテンド。ジュランティラノとガオーンライオンが応戦するものの、もともと気の合わない二人なので共闘どころではなくなる始末。見かねた介人が自ら巨大化しようとすると、それがトリガーとなって呪r何ティラノとガオーンライオンが合体、ゼンカイオージュラガオーンに(なぜか出川さんとダチョウの上島さんの例のネタまで挟まれましたが)。そのパワーでダイキノコワルドを圧倒するゼンカイオージュラガオーン。渡辺宙明作曲の歌をささきいさお堀江美都子が歌うという、とても令和とは思えない昭和感全開の挿入歌がまた燃えますね。ダイキノコワルドを撃破したことによって、キノコトピアが解放。今後はトジテンドと戦いながら、トジテンドのもつギアに閉じ込められた世界を解放していくことが当面の目標になりそうですね。

仮面ライダーセイバー 第26章 感想

 せっかく最近はようやく腰をすえて目の前の問題を一つ一つ解決していく方向性へと向かいつつあると思ったのに、闇落ちした賢人の出現によってまたごちゃごちゃしてきましたね。今回はセイバーが始まって以来、新しい事実がたくさん明らかになりました。

 

 まず、闇黒剣の使い手となって戻ってきた賢人。飛羽真たちを攻撃する理由についてはもう少し引っ張るのかと思いましたが、意外と早めに明らかにしてくれましたね。要するに、いくつもの可能性の未来を見たけれど、どうあがいても最終的には飛羽真たちが全滅し、全知全能の書が現れて世界が消滅してしまう。それを回避するために、全知全能の書復活のキーである聖剣を全て封印すると。気持ちはわかりますけど、一体どれだけの数のパターンの未来を見ての決断なんでしょうね。ドクター・ストレンジは「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で、サノスに勝つことができるたった一つの未来を見つけるために1400万605通りもの未来を見るという荒行をやってのけましたけど、どう見てもストレンジほどメンタルが強くはない賢人がそんなにたくさんの未来を見たとは思えないので、間違いなく彼が見てない未来の中に滅びを回避できる未来が存在するはずなんですが。

 

 そして闇黒剣が他の聖剣を封印できるという話から続いて明らかになったのが、古くから続くこの戦いのそもそもの起こりの話。かつて一人の女性が現実世界とワンダーワールドをつなげ、5人の人間がワンダーワールドに降り立った。そのうち3人が全知全能の書を悪用しようとしてなったのがメギドの三馬鹿であり、残る二人はそれぞれが現実世界とワンダーワールドを守る役目を担い、二つの世界の均衡を維持するという約束を交わした。現実世界を守るためにソードオブロゴスを組織したのが初代マスターロゴス、そしてワンダーワールドに残ったのがタッセル…。話だけ聞けば意外と大物だったんだなあいつら、というのが率直な感想ですが、三馬鹿についてはそんな昔からいるのにいまだに低レベルないがみ合いをしながら前進してるかどうかもよくわからない一貫性に欠ける企みを繰り返してるだけ。タッセルに至っては基本的にワンダーワールドで一人で気ままに過ごしてて、時々やってきたユーリの相手をしたり、現実世界に出てきたと思ったらただ見てるだけだったり、そもそものことの起こりに関わってる重要人物のはずなのに、普段の振る舞いからは全然そんなすごさが感じられないのがひどい。マスターロゴスについても、なぜかタッセルやメギドと違ってこの人だけは普通の寿命しかなかったらしく、タッセルと約束を交わした初代マスターロゴスは既に個人であり、今のマスターロゴスは何代目かの後継。しかもその当代のマスターロゴスが、初代の約束を反故にして全知全能の書で世界を作り変え支配者になるという、メギドと変わらぬことを言い出す始末。要するにこの戦い、すごい本を巡って数人の人間が争ったばかりにダラダラ続いてるものであり、警察とヤクザで言ったら警察の方もトップが腐っているという仁義なき戦いみたいなどうしようもないものなんでしょう。こんなしょうもない戦いに巻き込まれて一般人に人的被害が出ているのですから、例年の仮面ライダー以上にやるせないですね。

 

 ここに至ってふと思ったのですが、聖剣、ワンダーワイドブック、全知全能の書、ソードオブロゴス、ワンダーワールド、そのいずれもが不和と騒乱の種になっているだけで、今のところそれらの存在は現実世界に何のメリットももたらしていないのではないでしょうか(まぁそれを言ったらガイアメモリとかオーメダルとかだって同じですが)。ヒューマギアですら存在しないより存在するメリットの方がはるかに大きかったのに。そう考えると、聖剣を封印して全てを終わらせようという賢人のやり方が、一番手っ取り早くて合理的なのでは…。

機界戦隊ゼンカイジャー 第1カイ! 感想

 今年も幕を開けた新たなスーパー戦隊の物語。さらに今作は、記念すべき45作品目なのですが…。

 

 これまでに活躍してきたスーパー戦隊のいた世界をはじめとする、数々の並行世界をトジルギアという歯車に閉じ込めてきた、機械生命体キカイノイドの住む世界「キカイトピア」の悪の王朝トジテンド。しかし、最後にターゲットにした世界だけはなぜか閉じ込めることができず、そればかりかキカイトピアの一部と融合してしまうことに。それから1ヶ月。人間とキカイノイドが次第に打ち解け始めた頃、封印を諦め侵略に乗り出したトジテンドが人間を襲い始める中、とにかく「世界初」のことを成し遂げたい青年、五色田介人は、両親が残してくれたアイテムを手に、偶然出会ったキカイノイドのジュランと共に、「機界戦隊ゼンカイジャー」を結成してトジテンドとの戦いを開始する…。

 

 いきなり歴代スーパー戦隊が世界ごとなすすべもなく封印され、さらに機械生命体の住む世界の一部が人間の世界と融合してしまうというジュウオウジャー最終回のようなとんでもない展開から始まったゼンカイジャーの物語。ただ、よくよく考えると、世界を封印してそれで「征服」と言えるのかどうかは疑問符がつきそうなんですが…。たった1ヶ月で割とスムーズに人間とキカイノイドの共存が進んでましたが、もともとスーパー戦隊の世界はライダーと違ってこの手の異種族との共存に寛容(なにせ悪の幹部が街の和菓子屋に芋羊羹を買いに来ても普通に売ってたぐらいですから)なので、そのへんはとりあえず納得。面白いのは、これまでの戦隊に出てきた国家タイプの悪の組織はトップから下っ端まで全員悪者(というか、国民と呼べるものが存在していたのかさえわからないのがほとんど。戦闘員に至っては自由意思があるのかさえ怪しいのも珍しくないし)だったのに対し、トジテンドの場合は悪者は一部の支配層で人間はおろか同じキカイノイドである一般キカイノイドまで強圧的な支配を強いており、一般キカイノイドの方もそんな支配層に対して反感を募らせている、というところ。社会の上層と下層がはっきりと二分化され、上からの差別とそれに対する下からの反抗が深刻な軋轢を生んでいる。SFではもはや手あかのつきまくった典型的なディストピアですが、意外なことにスーパー戦隊でこういう国家が出てくるのは長い歴史でも史上初。このへんはただのお祭り騒ぎ的なアニバーサリー作品では終わらせないぞという、進取の気合が感じ取れますね。

 

 一方で、作品の基本的な方向性は、スーパー戦隊の原点に還るような、ノリと勢いと楽しさを基本としたものですね。介人の性格も、わかりやすい正義感の持ち主でノリと勢いでチームを引っ張っていく、いかにも2000年以降主流となったタイプのレッド(レッドじゃないけど)。一方その最初の仲間となったジュランは、パーティー好きの陽気なおじさん(見た目からはおじさんなのかよくわからないけどどこでおじさんと判断したんだろ介人…)という、のっけからなかなか尖った個性の持ち主。センタイギアを使った歴代戦隊の力を借りての戦闘も、ゴーカイチェンジほどのインパクトはないものの、今後どんな力が飛び出してくるのか楽しみです。人間1人、ロボ4人という異色にもほどがある戦隊ですが、この船出の回を見れば、今年も一年楽しませてくれそうだという期待は確信と言えるものになりました。

仮面ライダーセイバー 第25章 感想

 玲花が変身する仮面ライダーサーベラ登場、そして復活したカリバーの正体判明の回。サーベラについては、変身することができて、なおかつバスターとスラッシュの2人を相手に圧倒できるぐらいの強さがあるのなら、かつての仲間を斬ることにためらいのある倫太郎たちを焚きつけるような回りくどいことをせずに、最初から自分で飛羽真を斬ればよかったんじゃないか…と真っ先に思ってしまいますね。まぁ彼女の本来の仕事は中間管理職なので、自ら汚れ仕事をするのは最後の最後の選択肢だと考えていたとしても当然ではありますが。変身に使うライドブックが他の剣士のように「物語」ではなく「図鑑」というのが、尾上にも言われた通り、自分の考えがあるのか疑わしいほどマスターロゴスに盲従している彼女らしいです。

 

 そしてカリバーの正体は、死んだはずの賢人。死んだというより消えたという退場の仕方でしたし、それにまた正体がよく知らないおじさんだったりしても困るので、これについてはそれほどの衝撃はなし。当然元の賢人であるはずもなく、なんだか闇堕ちしたような状態ですけど、とっ散らかっていた物語がようやく整理されてきて、今はプリミティブドラゴンをどうにかすることに注力するべきというこのときに、また別の問題を抱え込むようなことをして本当に大丈夫なのか、心配でなりません。

魔進戦隊キラメイジャー エピソードFINAL 感想

 ついに幕を開けたキラメイジャーとヨドン皇帝の最終決戦。ヨドン皇帝の唯一の弱点は、宇宙最強の硬さを誇る邪面に隠された真の顔。トドメを刺すためにデストリアを温存したいキラメイジャーは、クランチュラから聞いた「倒した敵の屍を食らうときのみ皇帝は邪面を外す」という話から、一つの作戦に打って出る…。

 

 前半はヨドン皇帝との最終決戦でしたが、その中でヨドン皇帝の素性についてまで明らかになるとは思いませんでした。ヨドン皇帝ももとはさしたる存在ではなかったというのは、デスガリアンのジニスあたりと同じ系譜に位置しますね。その強くなる過程で、自分が最も嫌う「仲間を求める」という行為を無意識的に行った結果、心に生まれたのがヨドンナとシャドンの人格だったと。瀕死だったヨドンナは、あんな仕打ちを受けながらも皇帝の「弱さ」の象徴である自分が消えることで、皇帝を絶対的な強者へと押し上げようとしましたが、結局のところ、自分の弱さと真正面から向き合って受け入れることもできない人間が、強くなれるはずもないんですよね。ヨドンナの最期の忠心も、結果的には彼女の願ったのとは全く逆の道へと皇帝を歩ませてしまったと思うと、なんとも不憫です。

 

 圧倒的な強さでキラメイジンとギガントドリラーを倒し、キラメイジャーの屍を食おうとするヨドン皇帝。その瞬間、倒したはずのキラメイジンとギガントドリラーが、皇帝の邪面を吹き飛ばす。ヨドン皇帝はイリュージョアの見せた幻覚にまんまとはまり、自ら弱点をさらけ出してしまったのでした。前回危惧した通り、やっぱり重要アイテムをそのへんに適当に置いといてしまったのが命取りになってしまいましたね。終盤になるまで姿を見せず、あれだけ慎重に立ち回っていた奴とは思えないうっかりぶり。歴代スーパー戦隊のラスボスの中でも不名誉な敗因として語り継がれてしまいそうです。まぁ、腐った芋羊羹を食わされて弱体化したのが敗因になった奴がいるので、それよりはマシではあるのですが…。

 

 人間大の大きさにまで縮んだヨドン皇帝と、キラメイジャーの最後の激突。ここで恒例の素面名乗り。ダイレンジャーとはまた違った意味で難易度が高すぎる、あの最後の決めポーズまでやってみせたのには驚きました。同時に、この恒例の素面名乗り自体が、仮面をかぶって強くなった気になっていた皇帝に対して、仮面などかぶらなくても素顔のままの自分で輝くことができるというキラメイジャーの対比になるという対比構造になったのには、見事としか言いようがありませんでした。そして、ヨドンナという自分の弱さを捨てて孤高の存在となって絶対的強者たらんとする皇帝に対して、弱さを含めて互いを認め合い、自らの持てる力を出し切って助け合うことでそれに立ち向かい、見事勝利するキラメイジャー。「五つの力を一つに合わせて」とゴレンジャーの主題歌に謳われた、スーパー戦隊の魂とも言える力と技と団結。キラメイジャーはこれまでの戦隊にも増して、それを体現して見せたのではないでしょうか。

 

 そして、最後の戦いから3か月後。久しぶりに集まった仲間たちに、充瑠はクランチュラがもう他の文明を侵略することはしないと約束してくれたことを報告。どうやら今後は悠々自適に創作活動に勤しみながら暮らしていくつもりのようですが、改心したり和解したりした悪の組織は今までにあっても、ただのお絵かきサークルになった悪の組織はさすがにこれが初めてですね。カナエマストーンの力でクリスタリアは復活を遂げ、新たに女王となったマブシーナが宝路に支えられながら国を導いていくことに。為朝たちも本来の仕事で活躍する中、充瑠は相変わらず柿原さんをやきもきさせながらもひらめきを爆発させ、そのスケッチブックに描かれたのは…!

 

 というわけで、今回も無事一年間、スーパー戦隊の戦いを見届けることができました。コロナという未曽有の危機に襲われ、この番組も始まってまもなく総集編が連続したり、主演の小宮さんが感染したりと、一時はどうなることかと思いましたが、その逆風を追い風に変えるがごとく、終わってみれば例年以上に素晴らしい作品になったと思います。テレビやネットを見れば、誰もが他人の欠点や失敗を探り、悪意の有無や事の大小を問わず悪事やミスを犯したものを叩こうとしているかのように見える、この世知辛い世の中。コロナによってさらにその閉塞感が深まる中、自分や他人のよいところを、時には普通なら欠点や短所とされてしまうようなことにまで見出だし、互いに認め合いながら自分らしく輝いていこう、というメッセージを体現した番組は、まさにこの時代にこそ最も必要とされ、生まれるべくして生まれたものなのではないか。そのようにさえ思えるほど、特にメッセージ性という部分においては他の戦隊よりも心の深いところにまで訴えかけてくる、そんな作品だったと思います。なによりそのメッセージを嫌味なくストレートに表現し、まさにキラキラ輝いていたキャストの面々は、毎週見ていてなんとも気持ちのよいものでした。願わくばこの作品を見ていた人達、特に子どもたちには、キラメイジャーのように自分や他人のよいところを探し、それを認め合って輝くことのできる人間であってほしいと、そう思います。この素晴らしい作品を作り上げてくれたキャスト、スタッフご一堂には、心からの感謝の気持ちを贈りたいです。一年間ありがとうございました。

仮面ライダーセイバー 第24章 感想

 大秦寺に続き尾上の仲間入り、そして前回に続き猛威を振るうプリミティブドラゴン。尾上については息子の言葉によって迷いから抜け出し、飛羽真との全力を出し合ったぶつかり合いの末、彼の力を認めて共に戦うことを決める、という彼らしいものでしたね。さすがに2クール近くやっていると、ようやくこの番組に欠けていた「積み重ね」もどうにかこうにか形成が進み、安定した展開が見られるようになってきたように思えます。ただまぁ、それは登場人物の中でも年長である大秦寺や尾上だからというのもあり、蓮とかについては相変わらずなんですが。

 

 一方、前回ずいぶんあっさりと盗まれた禁書ことプリミティブドラゴンですが、やはり最終的に飛羽真の手に渡るところまで見越して、ストリウスに盗まれるのをマスターロゴスが容認した、と考えるべきなのでしょうね。おそらくはマスターロゴスはこの厄介な禁書を飛羽真に預けることで、どうにか制御可能な状態に持っていくことを期待しているのでしょう。そんなマスターロゴスの方針に当惑した様子を玲花が見せていたところを見ると、彼女もマスターロゴスの意図を全て理解したうえで従っているというわけではなさそうですね。

 

 そして、またもやプリミティブドラゴンに支配され暴走する飛羽真に、いきなり現れて一撃をくらわせて変身を解いたうえ、現れた時と同じようにすぐ消えたカリバー。直後に誰もいないタッセルの部屋が映されましたが、いや、まさかね…。

魔進戦隊キラメイジャー エピソード44 感想

 充瑠を助けられないまま、地球へと帰還したキラメイジャー。しかし追い打ちをかけるように、カナエマストーンを奪うためにヨドン皇帝が地球へと襲来する。ファイヤがいまだショックから立ち直れない中、為朝たちはカナエマストーンを使ってヨドン皇帝を撃破する作戦を立てるが…。

 

 まずはリバーシアの力で時間を逆行させ皇帝をヨドンナの姿へと戻し、エネルギアでオラディンの力を増幅し、以前オラディン自身がやられたのをやり返すかたちでヨドンナを石化。そこをデストリアの力で破壊する。為朝が考案しただけあって、3つのカナエマストーンの力をフル活用した作戦は、そのままうまくいけばヨドン皇帝を倒すことができたでしょう。しかしなんとヨドン皇帝は、封印の対象であるヨドンナを抹殺することによってそれを回避。別人格にやらせるとはいえ、結局は自分の用事を自分でやらなければならないし、ガルザみたいに他人に体を乗っ取られるリスクもあるのに、なんで皇帝はこんなややこしいことをしているのかと思いましたが、いざというときはこういう風に別人格を捨て駒にして助かることができるんですね。散々他人をあざ笑ってきたヨドンナが、最後の最後にこんなかたちで信じていたものに裏切られる絶望を味わうとは、皮肉なことです。

 

 負傷を押して駆けつけた宝路、マブシーナの言葉によって立ち直り仲間とともに駆けつけたファイヤたちも戦線に加わるも、絶大な力で圧倒するヨドン皇帝。絶体絶命の危機に陥るキラメイジャーだったが、そこに突如現れた魔進ジョーキー、そしてそれに乗っていた充瑠によって窮地を脱することに。命が尽きる前にジョーキーに魂を移したガルザによって救われ、自分の分まで輝き続けることを託された充瑠。さらに、イリュージョアを回収していたクランチュラが、それを充瑠に預ける。ヨドンナがそこらへんに不用心に置いていたので大丈夫かと思いましたが、やっぱり大丈夫ではありませんでしたね。このままいくとヨドン皇帝は、別人格の仕業とはいえ、重要アイテムを適当にそのへんに置いておいたせいでやられるラスボスになってしまいますが…。負ける気がしないとはまさにこのことですが、次回、いよいよ最終回。最高のきらめきを見せてくれ、キラメイジャー!!