BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ1

 とある街の教会。一組の新郎新婦が今まさに挙式の最中のところへ、「届け屋」を名乗る青年・大也が突如乱入する。実は花嫁・未来には別の彼氏がいたが無理矢理他の男と結婚させられようとしており、花嫁を空港で待つ彼のもとへと届けるよう依頼されていたのだった。真っ赤な愛車で見事なドライビングテクニックにより追っ手を振り切ったが、そこへ突如宇宙の走り屋集団「ハシリヤン」が現れて…。

 

 さて、今年もまた新たなスーパー戦隊の物語が始まりました。今回の戦隊のモチーフは車。恐竜と並んでもう何回スーパー戦隊で取り上げられたかわからないぐらいおなじみのモチーフですが、そこは歴史あるスーパー戦隊シリーズ。これまでのクルマ戦隊とはまたはっきりと異なる味を第1話から見せてくれましたね。いきなり花嫁を奪って逃げだすところから始まる型破りなスタート。しかもナビを送ってくる基地にはしゃべる人型ロボがいるし、もうのっけからいちいち説明はしないぞというスピード感に溢れていますね。あれよあれよという間に今度は敵組織ハシリヤンが現れますが、こいつらもバカっぽいノリでなんだか仲良しそうなあたり、確実にボーゾックやガイアークのような過去のクルマ戦隊の悪役の遺伝子を受け継いでいますね。花嫁の着ていたウェディングドレスが怪人化されるというのも前代未聞すぎですが、一方で敵の目的は人々に悲鳴を上げさせることによって得られるエネルギー、その名も「ギャーソリン」であることを自然な流れで説明する親切設計。そして大也が変身して怪人と戦うのを見た未来は、なんと自分も戦うと言ってブレスを手に取り、情報屋の射士郎とともに変身。ここに「爆上戦隊ブンブンジャー」が結成された!…第1話からまともな名乗りをする戦隊、ものすごく久しぶりですね。何しろここ数年の戦隊ときたら、真面目に名乗りをやらなかったり、そもそも全員集合するのが終盤だったり、そんなのばっかでしたから。そしてなぜか巨大化した敵のヤイヤイヤルカーと異空間でカーバトルを繰り広げた末に、巨大化した怪人に対してブンブンジャーロボで立ち向かい、見事に勝利!…第1話からがっつり巨大ロボ戦をやってくれる戦隊も、すごく久しぶりな感じがしますね。まぁ、敵がウェディングドレスの怪人なので鉄骨を組み上げてウェディングケーキの形にした檻に閉じ込めてケーキ入刀とばかりに必殺技で一刀両断するのは、なんだかゴレンジャーハリケーンっぽいノリでしたが。こうして戦いは終わり依頼通り大也は未来を空港で待つ彼氏のもとに送り届けましたが、なんと未来はブンブンジャーになると言って彼氏と別れてしまった。ここ数年の女性メンバーと同じく、今年の女性メンバーもなんだか強烈な個性の持ち主のようですね…。

 

 というわけで、型破りな展開を見せつつも、敵の出現と変身、名乗り、バトル、巨大ロボ戦と、スーパー戦隊の第1話としてオーソドックスな要素をしっかりと詰め込んでくれた第1話でした。これは今年も一年、退屈している暇はなさそうですね。

仮面ライダーガッチャード 第25話感想

 禁術を使いアイアンガッチャードへと変身した宝太郎はプテラマルガムを瞬殺。しかし体への負担は大きく、続くドレッドとの戦闘で意識を失ってしまうが、そこへ現れた風雅により全員が撤退。そして風雅は、今のミナトの行動に影を落としている10年前の出来事について語り始める…。

 

 明らかに洗脳されてるわけでもないのにやたらと容赦なく宝太郎たちに攻撃を仕掛けてくる最近のミナト先生の行動の原因である、10年前の出来事が明らかに。先生にとっては後輩の敵だし、スパナにとっては両親の敵だし、りんねにとっては父に裏切り者の濡れ衣を着せた男だしで、グローディと同じぐらい主要登場人物全員から直接的な恨みを買ってますね、グリオン様。宝太郎たちからケミーを巻き上げてほくほく顔ですが、先生の始末をラケシスに任せてしまうあたり、やはりわきが甘いと言うしか…。

王様戦隊キングオージャー 最終話

 王たちの意思に反し戦場へとはせ参じた六王国の国民たち。そして、ハーカバーカからやってきた死者たち。彼らの懸命な努力によって、王たちは復活を遂げ再びダグデドの面前に立ちはだかった。激戦のさなか、チキューを超える大きさにまで巨大化しチキューを潰そうとするダグデド。しかしその時、王たちはついに超絶怒涛究極完全体キングオージャー完成のカギとなる、「永遠の命」の代用品を見出すのだった…。

 

 「永遠の命」の代用品。そのヒントは、ライオニールが残した「無限に連なる小さき命」という言葉にあった。そう、王たちを信じこの場に集いしすべての民たちの命こそが、「永遠の命」の代わりとなるものだったのだ。「我ら民、王に命を預けよう!」その叫びとともに民たちから発せられた光が王たちの剣と王の証と呼応し、それがゴッドキングオージャーをさらに巨大化させ、ついに超絶怒涛完全体キングオージャーを降臨せしめた。宇宙そのものとも言えるダグデドの部屋で繰り広げられる死闘。だが、今の王たちにとってはそこすら狭い場所に過ぎず、そこに引きこもるダグデドもまた矮小な存在でしかなかった。限界を超え、体が燃え上がっても戦う意志を手放さないシュゴッドたち。その意思を汲み、王たちはついにダグデドを部屋から叩き出し、地に叩き伏せてトドメを刺し、長きに渡るダグデドによる支配に終止符を打ち、彼らの凱旋を待つ民たちのもとへと戻っていった…。

 

 その後、六王国を一つの国家にまとめようという話が持ち上がったが、これは例の如く王たちが勝手なことを言い出してまとまらずご破算に。相変わらず平時においてはまとまりのない王たちだったが、国が一つになるまでもなく、各王国の間で国や種族の垣根を超えた民たちの活発な交流が始まっており、違いを残し互いにそれを許容し合う共存のかたちが生まれつあった。そして新たな危機がチキューに迫ろうとも、王様戦隊キングオージャーはこれからも、民たちとともに民を、国を、星を、守り続けていくことだろう…。

 

 …というわけで、今年も一年、無事見届けることができました。毎年一つの戦隊を見終えた時の感想は感無量であることは言うまでもありませんですが、キングオージャーは通常の戦隊よりもはるかに多くの登場人物が登場して織りなす、一話完結ではなく全ての回が連なった完全なる連続ドラマという類を見ない壮大な物語だっただけに、壮大な叙事詩を読み終えたかのような満足感がありました。これほどまでに壮大かつ緻密な物語を見られたことは、もはや奇跡と言ってもいいでしょう。ここまで続き、これからも続いていくであろうスーパー戦隊の歴史の中にあって、王様戦隊キングオージャーは唯一無二の燦然とした光を放つ作品として、これからも語り継がれていくことでしょう。出演者、スタッフの皆さま、一年間本当にありがとうございました。

仮面ライダーガッチャード 第24話感想

 宝太郎たちに届けられたミナトからの手紙。「グリオンを討つ」と認められたその内容に喜んで駆けつける宝太郎たちだったが、それはグリオンが仕組んだ罠だった…。

 

 宝太郎の持つケミーカードがスチームライナーを残して全て敵に奪われるという、敵とキーアイテムの奪い合いをするタイプのライダーの物語の中でもなかなか見ないぐらいの大ピンチ。これに対して宝太郎は人とケミーの完全融合という、これまでの中で最も禁術だとわかりやすい禁術でアイアンガッチャードへと変身してドレッドへと挑むわけですが…。まぁそれはそれとして、ラケシスですら気づいているというのにまだミナト先生を完璧に支配下に置いていると思い込んでるグリオン様ときたら…。

王様戦隊キングオージャー 第49話

 急襲をかけてきたダグデドによってチキューの各王国は壊滅状態に陥り、王様たちもギラを除き倒れてしまった。なおもダグデドに戦いを挑もうとするギラだったが、その目の前で民たちを乗せたはずのコーカサスカブト城が墜落し、絶望の淵に立たされる。だがそのとき、ギラもダグデドも予想だにしなかったことが起こり…。

 

 3話連続最終回、2話目。前回のラストで民たちが王への反逆を決め、デズナラクが援軍として現れただけでも既にボルテージは最高潮でしたが、今回はもはや全てがクライマックス状態。ラクレスに率いられ、王の意志に反逆し戦場にはせ参じる6王国の国民たち。今や彼ら一人一人が邪悪の王。一番最初に現れヒメノを助けるのが側近であるセバスチャンではなく、かつて彼女に救われ「わがまま」を教えられたエッダだったのが特によかったですね。そしてダグデドもまた無数の再生怪ジームやシュゴッドを召喚し、壊滅した王国を舞台に幕を開ける大軍同士の最終決戦。やがて国民たちの戦闘経験者の少なさと、ダグデドがさらに再生五道化を召喚したことで戦いはギラたちの劣勢に傾いていく。だがその時、さらなる予想外の援軍が。デボニカを皮切りに、彼女の開いたハーカバーカとの扉から援軍として現れる死者たち。ジェラミーを守り敵を蹴散らすネフィラ。負傷者の治療に当たるディード、ナタリー夫妻。ドゥーガと並び立ち「王の双剣」としてラクレスとともに兵たちを鼓舞するボシマール。カグラギとリタからオージャカリバーを借りて王鎧武装し敵を討つイロキとカーラス。そしてギラを起こし、厳しくも優しさの溢れる言葉で叱咤するデズナラク。そしてついにはシュゴッダム初代国王・ライニオールまでが現れ、戦場の敵を一掃しダグデドめがけて斬りかかる。そのあいだにも戦えぬ者たちはケガ人の治療、「永遠の命」の代用品開発、食事の用意と、それぞれのできることで戦場を支えていく。戦場のただなかでコガネたちの用意したおにぎりをほおばり、セバスチャンの披露するドジョウ掬いに大笑いする場違いに陽気な王たちの姿に、イライラを募らせていくダグデド。やがてハーカバーカとの扉を開いていられる限界が訪れ、死者たちは次々と姿を消していくが、そのときには既に王たちは再び戦えるまでに回復を遂げていた。苛立ちを爆発せるダグデドに対しギラはいつものように不敵に笑い、ダグデドに刃を向けて正真正銘最後の決戦を挑む…!!

 

 いやぁ、さんざん言われ尽くした言い回しですが、こんなエンドゲーム並みのスペクタクルをニチアサで見られるとは思いませんでした。さらに前回のデズナラクどころか、デボニカが呼び出すかたちでこれまでの死者が総登場する大盤振る舞いとは、贅沢すぎてこんなの予想できるわけがありません。今の日本で戦隊やライダーがもつ「1年間続く連続ドラマ」という強みを最大限に生かし、1年かけてやってきた人物と物語の積み重ねの結果をこれほどまでに見事に、豪華に爆発させたのは、長年スーパー戦隊を見続けてきて初めての経験です。やってることを一言で言ってしまえば王たちが復活するまでの時間稼ぎなのですが、やり方が豪華すぎて放送の間中声をあげ続けでした。全てのお膳立てはこれいじょうないかたちで整いました。残すはダグデドを討ち、宇宙を救うのみ!!

王様戦隊キングオージャー 第48話

 巨敵グローディをも撃破し、五道化はカメジムを残すとはいえ、いよいよダグデドとの最終決戦を目前に控えることになったギラたち。既にダグデドを倒す算段として、6つの王の証の力を利用した「超絶怒涛究極完全体キングオージャー」の計画は立てられていたが、グローディを倒すために王の証の力の一つである永遠の命を使ってしまっていたため、その代用品を立てることが急務となっていた。だがそこへ突然ダグデドが襲来するという、最も恐れていた事態が起き…。

 

 最終回までの3話はその3話全体で一つの最終回となる。事前に公式からそうアナウンスはされていましたが、その1話目はのっけからとんでもない大ピンチから始まりましたね。ダグデドがいつでもどこでも現れることはわかっていましたが、この期に及んでまでとは。ラスボスなんだから準備万端整えた王様たちの渾身の一手を真正面から受け止めるのが礼儀というものなのに、本当にわかってませんねこいつは…。

 

 ダグデドとの死闘の中、超絶怒涛究極完全体キングオージャーの完成は間に合わないと判断した王様たちは、次善の策である「避難計画ゼロ」を発動。それに従い側近と民たちは神の怒りの時と同様避難をするも、今度の避難場所はバグナラクではなく、さらに何か事情を知っているラクレスもキングコーカサスカブトやシュゴッドに乗り込むように言うだけ。納得がいかない側近たちが、避難完了まで開けないように厳命され託されていたバッグを開けると、なんとその中にはそれぞれの王の証が。さらにホログラムの映像が流れ、この避難の目的は別の惑星へと移り住み、再び時間をかけてでもダグデドを討つ機会を待つ、というものであることが明らかに。これでいいのかと問われたラクレスの「いいわけないだろう!!」という叫びに、これまであらゆる艱難辛苦に耐えてきた彼をもってしても、こればかりは耐え切れぬほどに苦渋の決断であったことがにじみ出ていましたね。しかし、側近たちはチキューの未来を切り開けるのは王様戦隊を置いて他にないと、あえてその意に反し反逆の意志を示すことに。

 

 しかし、そんな王たちの計画すらダグデドにはお見通しであり、ゴローゲに化けて一行に紛れ込んでいたカメジムが彼らを皆殺しにしようとする(本物が現れて声のデカさでどちらが本物か看破されたのには笑いました。これまでさんざん事態をかき回してきたあいつの声のデカさが身を助けるとは、世の中なにがよく働くかわからない)。しかしその時、突然「死者の国から迎えに来たぞ、下等生物!」という声とともに、誰もが予期していなかった援軍が。そう、死の国ハーカバーカとの扉が開き、デズナラク8世がやってきたのです。誰もが予想していなかった、しかし誰よりも心強い援軍の登場に、こちらのテンションは爆上がりで思わず声が出てしまいました。3話連続最終回の1話目からこの盛り上がりでは、この先どうなってしまうんでしょうか。

仮面ライダーガッチャード 第22・23話感想

 蓮華の様子がおかしいことに気づき宝太郎たちが彼女を尾行すると、そこには蓮華をはじめ大勢の老若男女に囲まれてモテモテの謎の青年の姿が。青年の正体はなんとケミーの一体であるズキュンパイア。みんなを救うと豪語するズキュンパイアだが、彼には人間のエネルギーを吸収し自らのパワーに変えるという厄介な特性があり…。

 

 これまでのケミーとは異なり、格好はともかく見た目は人間にしか見えないケミー、ズキュンパイア。ケミーカードに描かれたイラストも女性向けスマホゲームにでも出てきそうな見た目で、改めてケミーとは何なのかと頭を抱えたくなりますね。若い女性はもちろんのことじいさんに至るまで魅了し、分け隔てなく愛情を傾けるズキュンパイア。間違いなくその気持ちは善意100%のものなのですが、彼自身が気づいていない特性のせいで命の危機すら危ぶまれるという今回の脚本を手掛けたのは井上亜樹子氏。シリアスさとトンチキさが変な具合にまじりあってるところが、まさに井上脚本の遺伝子という感じですね。

 

 今回からマジェードの新フォーム、ムーンケルベロスが登場。もともとサンユニコーンでも華麗な体術を見せていましたが、ムーンケルベロスはさらなる打撃特化という感じで、格闘戦を得意とするクロトーが変身したマルガムに対しても有利に戦闘を展開。さらに宝太郎の仲間となったズキュンパイアは、マルガムの中のケミーを魅了してマルガムの動きを封じるという能力を発揮。これさえあればほとんどのマルガムは楽勝なんじゃないかというぐらい便利すぎる能力で、今後出番がなくなりそうなのが早くも心配…。

 

 あとスパナ、ズッキュンとかいうトンチキなワードを聞いてギャグ落ちの危機を感じたのか、途中で逃げやがりましたね…。どうせお前もいずれはマコト兄ちゃんやゲイツみたいなオモシロキャラになるだろうに、無駄な抵抗を…。