東日本大震災で大切な人たちを亡くした被災者たちが故人と再会したという不思議な体験談の特集。「怪」タグをつけてよいものかどうかは迷いましたが、生後1年足らずで亡くなった息子2人が2年ほど成長した姿で目の前に現れたという話は、室生犀星の「後の日の童子」を思い出しました。
幽霊は存在するのかどうかとか、あの世は本当に存在するのかといった議論は個人的には不毛なものだと思っていますが、こういった話を聞くと特にそう思います。この番組も、あくまで取材を受けた人たちの体験とその体験によってその人たちの心境にどう変化が生まれたかを伝えることだけに徹していて、体験そのものに余計な解釈をさしはさまない姿勢に好感が持てました。それを体験した人が、それによってほんの少しでも前に進める。重要なのはそれだけです。
