BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

勝手に補足→『昭和の仮面ライダーが高学歴すぎてつらい』

 はてなブックマークにこんな記事が上がっているのを見つけまして。

「昭和の仮面ライダーが高学歴すぎてつらい」
http://minhyo.jp/hobosute/kamen-rider/

 こういうのを見ると頼まれてもいないのに補足したくなるのがライダーオタクのサガ。まずは、上の記事ではハブられていた昭和ライダーから。

仮面ライダー スペック
ライダーマン(結城丈二) 悪の組織デストロンの元科学者。優秀すぎて大幹部・ヨロイ元帥の妬みを買い殺されかけ、ライダーマンとなって復讐に乗り出す。
仮面ライダーZX(村雨良) ブラジルの大学に通う大学生。
仮面ライダーシン(風祭真) 城南大学体育学部卒。IQ250でスポーツ万能。500ccロードレース日本予選に初出場で優勝経験あり。
仮面ライダーZO(麻生勝) 遺伝子工学の世界的権威・望月博士の助手を務めた科学者。
仮面ライダーJ(瀬川耕司) 環境破壊の現状を伝える目的で各地を旅するフリーカメラマン。

 上の記事で取り上げられなかった昭和ライダーたちも、揃いも揃ってハイスペックですねぇ。

 上の記事では「悪の組織は高学歴志向」と書かれていますが、昭和ライダーの多くはそれぞれの組織が持てる技術の粋を凝らして最強の戦力とすべく開発した改造人間。その素材となる人間にこだわり抜くのは当然なわけですが、あまりにも優秀すぎる人間を選んだために反旗を翻され壊滅させられてしまうのが悪の組織の悲しいところですね。まぁ南光太郎の場合は暗黒結社ゴルゴムの支配者「創世王」の後継者である「世紀王」に選ばれた人間であり、その条件は学歴うんぬんの能力ではなく特別な年の日食の日に生まれたという特殊な条件によるものでしたが。

 一方、「全体的にふわっとした人たちが多い」と書かれてしまった平成ライダーたちですが、物語そのものは「ふわっ」などという擬音語とは対極にある(特にクウガファイズ)のは周知の事実であり、その主人公たちも確かに学歴が定かな人たちは少ないものの、それ以外のところでひと癖もふた癖もある人ばかり。何人かについて補足すると・・・

仮面ライダー スペック
仮面ライダークウガ(五代雄介) 世界放浪の中で2000の特技を身につけ、クウガへの変身はちょうど2000番目の特技。
仮面ライダーアギト(津上翔一) 家事と家庭菜園の達人。特に料理の腕はプロ並みで、最終回では自分のレストランを開業。
仮面ライダーカブト天道総司 ニートにして完璧超人。できんことはない。こちらも料理の腕はプロを超える。
仮面ライダー電王野上良太郎 おそらくメンタルの強さでは平成ライダー最強。なにがあってもへこたれない根性と向上心で問題児ぞろいの怪人たちの信頼を一身に集めるでかい器の持ち主。
仮面ライダーディケイド(門矢士) 天道ほどかは不明ながらもなんでもできるチート人間。ただしナマコは食べられない。
仮面ライダーフォーゼ(如月弦太郎) よほどの悪人でもない限り誰とでも友達になってしまう男。不定形の地球外知的生命体や巨大ロボに変形可能な攻撃衛星すら例外ではない。本編から数年後には教師になっているので、おそらく大卒。

 たしかに学歴というわかりやすいかたちでスペックの高さを表現することは少なくなりましたが、それとは別のかたちでのスペックの高さを主張しているのが平成ライダーですね。決してふわっとなどしておらず、むしろ昭和ライダーたちより尖っているのではないでしょうか。昭和の学力偏重主義から、平成の個性重視主義へという価値観の流れがここにも影響しているかどうかはわかりませんが。平成ライダーシリーズは毎年毎年、それまでの仮面ライダー像を覆す新たなライダーを模索し続けてきたシリーズなので、その主人公たちが学歴などというステレオタイプな物差しでは測れない存在なのは、至極当然のことでしょう。