謎の魔法石の中に広がる、誰もが怪人になる運命にある世界に引きずり込まれた晴人。そこで出会った一人の少年と一人の少女は怪人になる運命に抗い、仮面ライダーの指輪の力でこの世界から脱出しようとしていたが・・・。
前回に引き続き、平成ライダー総登場の特別編。今回は仮面ライダーディケイド・門矢士も顔出しで登場。少年と少女の願いをかなえたいという気持ちと世界を守るという使命の板挟みに悩む晴人に彼なりの言葉をかける姿は、世界を巡る旅に一つの区切りをつけてなお旅を続ける士の先輩ライダーとしての心を見ました。
一方、やはりというか自らもライダーリングの力でこの世界から脱出することを画策していたアマダム。仮面ライダーと怪人は力の源を同じくするものであり、仮面ライダーは怪人のなりそこないにすぎない、というのは、仮面ライダー(というより石ノ森ヒーロー)の原点ともいえる考え方ですね。その力の源をクロス・オブ・ファイアというのも、TV第一作の企画原案の一つ「クロスファイヤー」からとったのは明らか。全体的に今回の話は、石ノ森リスペクトにあふれていますね。
そして、アマダムに立ち向かう仮面ライダーたち。おなじみのBGMとともにアマダムに啖呵を切る士に、「説教キター!!」となりました。ここで士が言った「ある人」というのも、仮面ライダーを生み出したあの偉大なる漫画家に他なりません。電飾つきのファイズは、やはり暗所での戦いが絵になりますね。アマダムが巨大な怪人たちを送り込んできても、平成ライダーの勢いは止まらない。アギトトルネイダーで空を飛べるとは思いませんでした。個人的には、オーズやフォーゼのFFRも見てみたかったんですけれど。
怪人の姿となりライダーたちの力を奪い取るアマダム。しかし、晴人のあきらめない姿が少年の心を動かし、外の世界から再び鎧武を呼び寄せる。ここで鎧武がウィザードの話から自らも仮面ライダーを名乗ることにするくだりは、このあいだのウィザードの劇場版ではできなかったことをここでやるか、と驚きました。復活したライダーたち、そしてウィザードと鎧武のライダーキックが決まり、アマダムは撃破されるのでした。
こうして、ひとまずの危機は去った魔法石の中の世界。目を覚ました少年にサムズアップするクウガがいいですね。士も再び次の世界へと旅立ち、晴人ももとの世界に戻ることに。怪人ではなく仮面ライダーになれるかもしれない、という希望を得た少年にインフィニティの指輪を託す晴人。彼が去った後、瞬平たちとともに少年に再開することのできた少女が呼んだ、彼の名は・・・。