BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

Vシネマ ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー 感想

 Wや鎧武でも製作された、仮面ライダーの外伝的なVシネマシリーズ。そのドライブ版である「ドライブサーガ」の第一弾「仮面ライダーチェイサー」を見たので感想を。

 舞台はまだTV本編でロイミュードとの戦いが繰り広げられていた頃。ロイミュードとの戦いで、一人の女性を巻き込みケガを負わせてしまったチェイス。入院した彼女が弟と二人きりの家族である境遇を知ったチェイスは霧子と剛の姉弟の姿を重ね合わせ助けたいと思うが、その機械的な言動が気味が悪いと弟に拒絶されてしまう。それにショックを受け、感情を手に入れて人間になりたいと願うチェイス。そんな彼の前に、ロイミュードに感情を与え人間との平和的な共存を語るロイミュード・エンジェルが現れて・・・。

 プロトドライブとしてロイミュードと戦い、敗れて改造され魔進チェイサーとして幾度もドライブと死闘を繰り広げた末、再び仮面ライダーとなって人類を守るために戦うという、人間とロイミュードの間で数奇な運命をたどってきたチェイス。今作品はそんな彼が抱える苦悩に迫る作品で、必然的に仮面ライダーと同じ石ノ森ヒーローであるキカイダーロボット刑事を彷彿とさせる物語となっています。エンジェルによって感情をもったチェイスの妙にフランクな態度には笑ってしまいますが。進ノ介たちはあまり物語に関わらず、チェイスが再び自分を取り戻し敵に立ち向かう後押しをしてくれるのが、かつての友であり今は敵であるはずのハートとブレンというのもよかったですね。道を違えても切れることのない彼らの友情が熱いです。

 そして今回のスペシャルゲストとして登場するのが、ドライブと同じ警察官の仮面ライダーである仮面ライダーアクセル・照井竜。進ノ介たちの追うロイミュードのコピー元の男が、風都で残存するガイアメモリを奪おうとした容疑者であり、しかもその男が東京都と風都のちょうど境界で死体として発見されたために、捜査の主導権を巡ってもめる羽目に。以前自分のホームページで仮面ライダーWの小説を書いたことがあり、その時に風都を東京からは離れた地方都市として書いたので、東京と風都が隣接しているという衝撃の事実に頭を抱えてしまいました。今回の脚本がWとドライブ両方のメインライターを務めた三条氏なので、完全に公式設定ですし・・・。しかも風都にはフェリー港があることがWで描かれているので、東京に隣接していて海にも面しているとなると、千葉か神奈川のどちらかということに・・・。まぁそのへんはさておき、久しぶりに変身してドライブ、マッハと共闘するアクセルの姿を見られたのはうれしかったです。進ノ介は「俺以外にも警察に仮面ライダーがいたなんて」と驚いてしましたが、実はもっと先輩にもう一人いるんですよね。同じ仮面ライダーでもヒラの巡査である進ノ介とは違って警視である竜にやたらフランクに接する剛を「俺の出世にも関わるんだぞ!」と慌てて叱る進ノ介。人並みに出世とかにも感心あったんですね、進兄さん。最後には現在の所長との暮らしぶりをうかがわせる会話もあって、Wファンとしては満足な客演でした。