BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

牙狼 魔戒烈伝 第8話感想

 今回の魔戒烈伝は第3話以来となる2本立て。前半はシグトが主役の「絵空事」。「RED REQUIEM」で烈花とともに登場して以来、彼もシリーズの中では古株に入るキャラクターですが、こうして物語の中心に置かれるのは初めてですね。普段のシリーズではめったに描かれることのない、魔戒騎士や法師と一般の人々とのつかの間の触れ合いが何度か描かれてきた魔戒烈伝ですが、今回の話もシグトと一組の母子の束の間の交流と別れを描いた、少し寂しい物語。自分が魔戒法師でなかったら、というシグトのほんの一時の夢想を「絵空事」と言ってしまうサブタイトルは少々残酷ですが、母子との交流に束の間の安息を見出し、母親から一方的に別れを突き付けられても粛々と元の日常へと戻っていく一連の物語は、牙狼の登場人物の中でもとびきり人間くさいシグトにこの上なく合っていたと思います。

 後半は「魔戒ノ花」で雷牙とともにエイリスの開花を阻止すべく戦った隠密の魔戒騎士クロウと、彼の上司でありながらエイリスを利用して死んだ恋人を蘇らせようとした毒島エイジ。いきなりクロウとエイジのバトルで始まった通り、前半とは打って変わってバトルを中心とした物語に。クロウの成長を描く物語でしたが、正直言ってそれが目的ならば消化不良の感がありました。クロウは本編でもあまりいいところのなかった騎士なので、また別の機会で活躍を見てみたいところです。