BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の仮面ライダーエグゼイド 第32話感想

 力を合わせて上級バグスターを一挙に倒し、仮面ライダークロニクルの完全攻略を狙う永夢たちと、それを迎え撃つパラドたち。人類とバグスターの戦いが最高潮を迎えた時、突如その場に現れる「伝説の戦士」、その名は・・・。

 ここのところ最終回と見まごう展開が連続して繰り広げられているエグゼイドですが、今回はさらにその上を行く展開でしたね。「ワイルドバンチ」のクライマックスそのままに決戦に赴く4人と、それを迎え撃つパラド、グラファイト、ラブリカ。しかしそこに突如登場し、全てを根底から覆していったのは黎人の父正宗、そして彼が変身した仮面ライダークロノス。その存在感はデウス・エクス・マキナのように唐突かつ圧倒的。これまでの平成ライダーシリーズだったら、バグスターとの決戦をクライマックスに据えて、クロノスが登場したところで次回へ、としたであろうところを、バグスターとの決戦を前座にして、時を自在に操り、コンティニュー可能なバグスターにさえ覆すことのできない「死」を与えるクロノスの力と恐ろしさを惜しげもなく披露したのが効果的でしたね。クロノスもさることながら、永夢たちを人間ではなくゲーム名で呼び、「もう商品価値はない」と言って「廃盤」と称してラブリカを葬る、商品としてしか他者を見ていないかのような正宗自身の不気味な言動もインパクトは絶大でした。

 圧倒的な力でライダーもバグスターも一蹴し、自らが仮面ライダークロニクルを運営することを宣言した正宗。黎人は自らが永夢を超える才能の持ち主であることを証明するという歪んだ目的をはらんでいたものの、あくまで人間の楽しんでもらうというゲーム本来の目的のため。パラドは人類を絶滅させバグスターが取って代わるという目的のため。それぞれがそれぞれの目的のために利用してきた仮面ライダークロニクル、正宗がその永続的な運営を求める目的は、果たしてどこにあるのか。再びラスボスが入れ替わったかのようにも見えますが、黎人によればクロノスの力がなければ攻略不可能な仮面ライダークロニクルのラスボス、ゲムデウスもいまだ姿を現してはおらず、本当にこの物語がどこへ行きつくのかがわかりませんね。