アギト編、後半戦。今回も謎の力に目覚めたツクヨミを中心に話が進んでいきますが、前回以上に翔一ががっつりと絡んできましたね。タイムジャッカーたちにアギトの力を奪われたというのに、次の場面では特にそれを苦にする様子もなくおじさんの料理を食べて太鼓判を押したりしているあたりは、いかにも彼らしかったです。ツクヨミを自分の店に招いて料理を振る舞いながら、自分もまた記憶を失って大きな力を手に入れたが、それでも自分は自分であると割り切って一生懸命生きてきたと語る翔一。歴代平成ライダーの中でも特に飄々としたイメージの強い彼ですが、そんな彼でもアギト本編の終盤にはアギトの力に思い悩むこともありました。そんな時真魚ちゃんとはじめとした周囲の人たちから励まされたことで、「人間として、アギトとして」戦う決意を固めることができた彼だからこそ、ツクヨミの仲間であるソウゴたちにも「これからも一緒にいてあげればいい」という言葉を贈ったのでしょうね。
そんなアギト本編を踏まえた展開を経たうえで、テンションが最高潮に達したのがクライマックスのバトルシーン。ゾンビ映画のごとく大量発生したアナザーアギトに対し、ゲイツリバイブ疾風とウォズフューチャーリングシノビのスピード合戦からして、ほとんど劇場版のようなド派手さ。G3を装着した翔一が援護に駆けつけるという予想がいの展開を経て、ジオウがアギトウォッチを取り返し、再びアギトの力を取り戻した翔一の変身シーンは、本当に当時のまま。そしてジオウトリニティとアギトトリニティフォームのそろい踏みだけでもすごいのに、そこに流れ始める「BELIEVE YOURSELF」。この曲が流れるだけでも、当時リアルタイムでアギトを見ていた視聴者の心を一気に放送当時まで引き戻します。いやもう、本当にどうにかなりそうでした。ここから先のレジェンドたちの絡みもこんな調子だったら、ジオウはまさに平成ライダーを締めくくるにふさわしい作品になりますね。
こうしてより強い結束を取り戻したツクヨミとソウゴたちでしたが、ツクヨミの力の正体は謎のまま。ウォズとスウォルツの会話からは、本来タイムジャッカーの時間停止の力は何者かによってスウォルツにのみ与えられたものだが、どうやらスウォルツとは別にその力を与えられた存在というだけでウォズにとってツクヨミは驚愕すべき存在らしいということが伺えます。それを知ってなおソウゴたちにも秘密にしなければならないその真相とは、果たして・・・。
