BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 第2話感想

 飛電インテリジェンスの新社長としてスタートを切った或人。その前に現れる、飛電インテリジェンスによるヒューマギア暴走事件の隠ぺいの可能性を疑う人工知能特務機関エイムズの唯阿と不破。1話にも登場した彼らが本格的に動き出し、そして2号ライダー、バルカンも初登場。或人と不破にとって共に心の傷になっているかつての爆発事故「デイブレイク」のあらましも少し明らかになりましたが、そこで或人はヒューマギアに命を救われたことによってヒューマギアを善と、不破はヒューマギアに殺されかけたことでヒューマギアを悪と断じ、それがそのまま両者のスタンスの違いとなっているのが面白いですね。科学や技術というものは、必ず光と闇の両面を持っており、優れたものであればあるほどその差は大きくなるもの。その光と闇の両面を見なければ、科学や技術を正しく評価し使っていくことはできません。人工知能とは善か悪かという問いもこの作品のテーマでしょうが、ヒューマギアに対して今は片方の面しか見ていない二人がどうその視点を変化させていくかが、そこには大きく関わっていくことになるでしょうね。

 

 滅亡迅雷.netの暗躍により、運送配達員のヒューマギアだけでなく、或人が感謝の言葉をかけた警備員型ヒューマギアのマモルまでもがマギアとなって暴れ出すという、今週もこちらの心を抉ってくる展開。今のところ最大の関心事は、暴走させるだけなら普通のヒューマギアで事足りるはずなのに、なぜ滅亡迅雷.netはシンギュラリティに達したヒューマギアを狙うのか、ということですね。おそらくは暴走の方は単なるついでで、シンギュラリティに達したヒューマギアから何らかのデータを収集するのが本当の目的なのでしょうけれど。また、2話目にして早くも滅亡迅雷.netが或人の前に現れ、その存在を明らかにするとは思いませんでした。脚本がエグゼイドの高橋悠也さんなので、滅亡迅雷.netが最後まで一貫した敵なのか、それともエグゼイドのように新たな敵が次々と入れ替わって現れるのか、予断を許さないのも面白いですね。

 

 そして、2号ライダーバルカンの初変身。「お前のような危ない奴に許可するわけがないだろう」とまで唯阿に言われてしまう不破ですが、無理やり力技で変身したのには思わず笑ってしまいました。別々の場所で「ヒューマギアは人類の夢だ」と叫んで変身する或人と「ヒューマギアは人類の敵だ」と叫んで変身する不破。まだ2話目だというのに、なんと気合の入った変身でしょう。最終的に同じ場所でマギアを倒し、一瞬だけ互いの姿を垣間見るゼロワンとバルカンがかっこよすぎですね。平成ライダーは特に正体を隠さず大っぴらに変身するのが多かったので、正体を隠して戦うゼロワンが逆に斬新にも見えてきます。

 

 戦いが終わり、暴走の説明を求める記者団が殺到する中に現れ、滅亡迅雷.netの存在を明らかにして事態を収拾する或人。ビシッと決めたその流れで懲りずにギャグを披露してダダ滑りし、イズにフォローされてさらにダメージを食らうのは今後のお約束なんでしょうけれど、それを見て震えてる不破、あまりのくだらなさに怒りをこらえてるんじゃなくて、ツボに入って笑うのをこらえてたのか…。