BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 第7話感想

 今回登場するのは教師のヒューマギア。ものづくりだけでなく人にものを教える仕事までヒューマギアに任されているのか…と驚きましたが、実際に任されていたのはバスケ部の顧問の仕事限定。これならばやることはスポーツトレーナーとほとんど同じですし、現実に教育現場での教員への負担増から教員本来の仕事と部活の顧問の仕事を分けようという声が上がっていることからも、ヒューマギアのこういう使い方は理にかなっていますね。熱血教師という一見ロボットには似つかわしくないものになった坂本コービーですが、生徒たちの求める指導に答えようとした結果、論理的な帰結としてああいう指導をするようになったというのも納得がいきました。ヒューマギアならば人間の教師よりも生徒個人個人の能力を正確に把握したうえで科学的に正しいトレーニングを課してくれるでしょうし、感情的になって体罰を加えるようなこともないから、まさに理想的なトレーナーと言えるでしょう。その一方、練習時間が多くなって受験勉強の時間に影響が出ることを保護者たちは嫌って抗議し、人間の教師は言われるままにコービーをリセットしようとする。このへんが学校という職場の特殊なところで、他の職場はサービスの提供者と利用者とが一対一の関係にありますが、学校の場合は利用者がサービスの直接の利用者である生徒と学費を払う保護者の二ついることが、生徒と保護者、どちらかにとっての「いい先生」がもう片方にとってのいい先生とは限らない、という特殊な問題を引き起こす。現実の教育現場が迷走している今、「学校は誰のものか」というますます重みを増しつつある命題について、まさかこの番組で考えさせられるとは思いませんでした。

 

 一方、今回の重要なトピックの一つは、滅亡迅雷.netがシンギュラリティに達したヒューマギアをターゲットにしていることがとうとう或人たちの知るところになったこと。迅が自分からバラすとは思いませんでしたが、暗殺ちゃんを奪われたことよりこっちの方が滅に怒られるんじゃないでしょうか。何しろ或人たちはヒューマギアに自我が芽生えていること自体感知していなかったわけですから、これは単に敵のターゲットが明らかになったという以上の影響を物語にもたらしそうですね。特に或人。登場人物の中でヒューマギアに最も肯定的な彼でさえ「ヒューマギアは夢のマシンだ」と、あくまでマシン、つまり道具としかヒューマギアを見ていない。しかし、自我の目覚めたヒューマギアはもはやマシンでもなければ道具でもない。「夢のマシン」ではなくなったヒューマギアに対し、或人はどう対応していくのでしょうか。

 

 もう一つのトピックは、唯阿の謎めいた行動。今回の暗殺ちゃんの行動、どうやら彼女が仕組んだもののようでしたが、エイムズもますますきな臭いにおいがしてきましたね…。