BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 第17話感想

 大胆不敵にも飛電の記者会見の場に乗りこんでTOBを宣言した垓。これだけ自信満々に宣戦布告をしてきたからには、さぞや強力な切り札を手元に忍ばせているのだろうな…と思っていましたが、その切り札こそメガネ型デバイスのザイアスペック。平たく言えば、かけるだけで人工知能と同等の思考能力を得られるという代物のようですが、肩透かしを食らったように思えたのは私だけでしょうか。ヒューマギアの最大の特徴はオープニングのナレーションでも語られているとおり、「人工知能を搭載した」「人型ロボ」であること。思考能力は追いつけたとしても、「休息を必要としない」「壊れても交換可能」「人間が活動できない環境でも作業が可能」そして何より「給料を払う必要がない」という数々のアドバンテージがあるわけですから、ザイアスペックだけでヒューマギアのお株を奪うことはできないでしょう。ザイアスペックの恩恵を受けられるのは知的労働が主体の職場が中心にならざるを得ず、肉体労働を主体とする労働環境ではあまり恩恵を受けられるとは思えません。本来ならヒューマギアよりも性能の優れた人工知能搭載型ロボットを送り出すのが対抗策としては定石のはずなのに、ザイアスペックを打ち出してきた垓の勝算はどこにあるのか。もしかすると、思考能力の強化以外にも何か機能が隠されているのかもしれませんが…。

 

 そして、そんな垓が満を持して変身した仮面ライダーサウザー。最大の特徴は、プログライズキーとゼツメライズキーを同時併用できるということでしょうか。二つの力を同時に使えれば強かろうという良く言えばシンプル、悪く言えば力押しの発想ですね。シャイニングホッパーとの戦いで、シャイニングホッパーは動きそのものではサウザーに追随できるけれど、パワーと防御力でシャイニングホッパーを圧倒する、という描写からもそのあたりがうかがえます。さらに武器であるサウザンドジャッカーは、ゼロワンのプログライズキーから能力を抽出できるという機能つき。要するにデータの盗用です。偉そうに出てきた割にはやることがセコイ。まぁそんな能力云々よりも、必殺技を使うたびにいちいち「ⒸZAIAエンタープライズ」と出るのがユニークすぎる特徴なんですが。データの盗用をする一方で自社の権利を主張する。ある意味最悪のライダーが現れたという感じですね。