BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンZ 第17話感想

 ホロボロスとの戦いを終えて息つく間もなく、ゼットに襲撃をかけてきたバロッサ星人(二代目)。ゼットが手に入れたばかりのベリアロクに、早くも狙いを定めてやってきたのだ。さらにそこへジャグラーまでもが加わり、ベリアロク争奪戦は三つ巴の展開へ…。

 

 強力な力を持つアイテムの争奪戦は特撮の定番…とはいうものの、争奪戦の対象があの生首剣というのがなんともシュール。手にしようとする相手にいちいち「俺様を手にしてお前は何をする?」と問いかけるベリアロクですが、見ていると何だかどんな答えをしても割と面白がってくれてるような…。あんな態度ですが何しろこのあいだ生まれたばかりですから、見るもの聞くもの何もかもが新鮮で面白く感じているのかもしれません。バロッサ星人、ジャグラーと気ままに使い手を渡り歩く困った奴ですが、ジャグラーに対しては「お前の旅も面白そうだが」とフォローを入れたうえでハルキに正体を隠しておくことを約束するあたり、妙に気配りができてます。結局最終的にはハルキの「未熟さ」ゆえの未知の可能性に興味を持って戻ってきたあたりも、純粋なところがあって憎めない奴ですね。

 

 予見はされていたとはいえ、思っていたよりもずっと早く再び同族が襲撃してきたバロッサ星人。前日に今回の声優は関智一氏という情報を聞いて嫌な予感がしていましたが、登場早々華麗に着地…と見せかけて足をグキッとやった時点で早くもそれが的中しました。しかしそんなものは序章に過ぎず、そこからはもはやどこからツッコんでいいのかわからないネタ台詞のオンパレード。「ファイナルブレイク!」と叫んで斬撃を飛ばしたり、「卑怯もラッキョウもあるか!」と別の二代目宇宙人の迷台詞を叫んだり。「いくぜいくぜいくぜ!」とか言い出したときは、「そりゃ別の関だろ」と多くの大きなお友達が突っ込んだはず。そんな悪ノリに当てられたのか、ゼットのピンチに駆けつけたヨウコ搭乗のウインダムまで、勝利をつかめと轟き叫ぶ真っ赤に燃える手で敵の頭を握りつぶす新技「ウインダムヨウコインパクト」を披露(ご丁寧に発動時にモニターに表示されたコードまで、元ネタになった奴の機体番号)。食らったバロッサ星人の方も「頭部を破壊するのはやめてくれ!」とナイスリアクション。中の人が最近のウルトラシリーズでは久しく出番がなく、その鬱憤を晴らすかのようにやりたい放題やったバロッサ星人でしたが、その罰が当たったのか、戻ってきたベリアロクでゼットが繰り出したデスシウムファングにより、丸ごとかみ砕かれて爆散という兄に輪をかけて悲惨な最期を遂げることに。ベリアルのデカい生首が飛んできて全身丸ごとパックリとかみ砕かれるって、ますますヒーローの必殺技じゃないなこれは…。

 

 そんなこんなで勝手気ままな剣とやりたい放題の宇宙人のせいで完全にギャグ回でしたが、またしてもこの手のアイテムに手を伸ばしてフラれるジャグラーだけは哀愁が漂ってましたね。ギガファイナライザーの時と同じで、ひょっとしたら手に入るかもしれないチャンスがたまたまやってきたから手を出してみた、というぐらいの軽いノリですけど、この手の使い手を自ら選ぶアイテムが目の前に現れると手を伸ばさずにはいられない、ひいては「認められる」ことへの未練をいつまでも捨てきれないところが、人間臭くて単純な悪役の枠に収まらないジャグラーの魅力なんですよね。