BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ゴジラ S.P 第2話 感想

 夏祭り会場に突如飛来したラドン。逃げ遅れた子どもを助けたユンに迫るラドンに、おやっさんの操縦するジェットジャガーが立ち向かう。ラドンVSジェットジャガー。こうして実現したところを見ても信じられないような対戦カードです。まぁ実際のところは翼竜に毛が生えたようなような怪獣と見るからに開発途上のロボットの対決なので、パシリムのようなド迫力のバトルに到底及ばないのは言うまでもありませんが、こういうドタバタ感のある戦いの方が、もともと昭和生まれのジェットジャガーのデビュー戦にはふさわしいですね。しかしあのラドン、ピンポイントでコクピットを集中して狙ってきたり、小型にしては侮れません。ジェットジャガーの方も「取り押さえろ」という単純な命令だけでそれに従った行動をとろうとしていたあたり、見た目に反して頭脳の方はなかなか優秀そう。ユンは下手すれば自分より賢いとまで言う人工知能を作ってましたし、もしかすると同じものがジェットジャガーにも搭載されているのかも。しかしラドンジェットジャガーの手を逃れて空中に逃亡…したかと思いきや、突如絶命して落下し、この戦いは唐突な幕切れに。死体が高熱を発していたというのが気になりますね。

 

 当然のようにラドンの出現は世間にセンセーションを巻き起こすことに。「生きたまま捕まえられればよかったのに」と無責任に言う専門家とか、ツチノコ扱いで町おこしの材料にしようとする市とかは、怪獣映画でもおなじみの流れですね。一方で、おそらくは怪獣映画などはなく、そもそも「怪獣」という文化がないであろうこの世界において、「怪獣」という呼称や「ラドン」という固有名がネットやメディアを通じて自然発生的に生まれ定着していく過程を見せたのはなかなか面白い。やがて、夏祭りで死んだ個体以外にも複数のラドンの死体が次々に発見され、「地球の生物に共通する遺伝子を持たない」「胃に相当する器官が見当たらない」「体内に放射性物質ラドンをもち、電波を発する」といった特徴が明らかに。特に地球の生物に共通の遺伝子を持たないというのが興味深いですね。怪獣は基本的には何でもありですが、宇宙怪獣のような例外を除いては、地球の生物が何らかの理由で巨大化した、というのが怪獣には多いわけですから、今回のラドンはそもそも地球の生物ですらないかもしれないというのは興味深い。そしてそれを裏付けるように、ラストで赤く染まった海から次々に飛び出してくるラドンの大群。2話目にしてもうガメラ3のラストみたいなことになってますけど、ラドンでこれだとゴジラが出てきた日にはどんなことになってしまうのか…。