BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週のウルトラマンオーブ 第22話感想

 一度飲めば病みつきになるコーヒーを出してくれるが、後日訪れようとしても二度と行くことができない、地図にない場所にあるという不思議な喫茶店の秘密を探ろうとするSSP。いつもながらこの人たち、取材の対象とか方針とかに一貫性がありませんよねぇ。そんなだからいつまで経ってもメジャーなメディアになれないんですけど、そもそもサムシングサーチピープル(何かを探す人たち)というチーム名からしてなんだかフワフワしてますからねえ。

 まぁそれはともかくとして、噂の喫茶店「ブラックスター」は、実は地球侵略を企む宇宙人たちのたまり場(まぁガイも常連なので、悪の巣窟というよりは「紅の豚」のジーナの店のようなところですが)。しかし先日のメトロン星人のいまわの際の不吉なセリフのとおり、地球には大きな破滅の危機が迫っているらしく、宇宙人たちは続々と地球を脱出していて店の中は閑散とした雰囲気。自らも地球侵略の夢をあきらめた宇宙人である店長を演じるのは、ウルトラシリーズはもちろん特撮には欠かすことのできない怪優・赤星昇一郎氏。最後の客となったピット星人と店長がカウンター越しで交わすオトナな会話が自然にドラマとして成立してしまうのが、やはりウルトラシリーズのすごいところです。

 今日を店じまいの日として看板を下ろす店長。しかしそのとき、彼の相棒であるノーバが巨大化。かつてはあきらめた地球侵略の夢。それを叶えるこれが最後のチャンスだという相棒の決意に打たれた店長は、自らもブラック指令としての正体を現してノーバと同化し、オーブと戦うことに。「最近の怪獣はごちゃごちゃしていてイカン」という店長の意見には全くの同意。ノーバはまさにシンプルイズザベストのお手本のような怪獣で、テルテル坊主そのものの見た目でありながら、真っ赤な色とムンクの叫びのような絶妙な表情のおかげで一度見たら忘れられない大傑作のデザインですね。強敵ぞろいの円盤生物らしい強さでオーブを苦しめたノーバでしたが、オーブオリジンには敵わず花火となって消えることに。一人生き残った店長は、ガイの励ましの言葉にも姿を消しましたが・・・。赤星氏の名演技によって、オーブの中でも屈指の味わい深い名エピソードとなりました。深夜食堂みたいに、店を訪れる宇宙人と店長の話だけで連続ドラマが見たいです。