BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!! 感想

 去年めでたく完結を迎えたウルトラマンジード。その劇場版が公開されたので、早速見てまいりました。いつものとおりネタバレを含みますので、未見の方はご注意を。

 突如として現れたギャラクトロンの改良型、ギャラクトロンMK2。それはあらゆる並行宇宙の知的生命体の抹殺を企む巨大人工知能ギルバリスの尖兵だった。地球の危機に光の国はウルティメイトフォースゼロを派遣し、ガイもジードのいる宇宙へとやってくる。そしてリクは、ギルバリスを生みだしたクシア人の最後の生き残りであるアイルから大いなる使命を託されるが・・・。

 TVシリーズでタッグを組んだゼロだけでなくオーブも加えてジードが大活躍する、まさにジードの物語の総決算。映画のあちこちで主題歌の歌詞がセリフとして使われているのも、さらにその印象を強めますね。思えばここまで仲間との絆を前面に押し出したウルトラマンメビウス以来です。そしてついに登場するジードの最終形態、ウルティメイトファイナル。ギャラクトロンも瞬殺するその強さもさることながら、ジードとしては初めて他のウルトラマンの力を借りずに変身し、その姿もどのウルトラマンにも似ていないのが、真に本物のウルトラマンとして独り立ちを果たしたジードにふさわしく、感慨深いものがありました。

 もちろん、オーブやゼロも存在感を発揮。リクたちとならず者宇宙人たちの乱闘現場にオーブニカを吹きながら現れ、相変わらずの強さで宇宙人たちをなぎ倒してかっこよくバーのカウンターに座った・・・と思ったらラムネを煽るガイさんには笑いました。今回初めて後輩といえるウルトラマンが現れ、呼び捨てにしていいものかどうかジャグラーに意見を求める場面も。でもガイさん、ウルトラマンになったのはかなり昔なんだからギンガやエックスも後輩でよいのでは・・・。そして、ガイさんの現れるところ必ず現れる、ご存じジャグジャグさん。今回はガイさんより出番が早く映画の冒頭から出ずっぱりなので、ファンにはたまらないものがありますね。ゼロの方はゼロ本人よりも久々の登場となるウルティメイトフォースゼロの仲間たちの方が印象に残りますね。特にグレンファイヤーの自由すぎる発言が。そしてラストでは、リクと対面したジャンボットが・・・? ゼロの劇場版から見てきた人には笑うのは必至のネタなので、必見です。

 一方、今回の映画で新たに判明した事実の数々も。オーブで初登場しその強さで視聴者に衝撃を与えたギャラクトロン。奴が誰によって作られ、どこからやってきたのかという、オーブでは明らかにならなかった謎の答えがこの映画でついに明らかになりました。そして、大怪獣バトル以降のシリーズで重要な役割を果たしてきたあのアイテムの起源もまた明らかに。こっちの方は後付け感があり、まだ明らかになっていないこともあるのですが。

 とにかく、ジードというウルトラマンが本物のウルトラ戦士へと成長する物語を見続けてきた人にとっては、その到達点として満足のいくものであることは間違いないでしょう。もちろん、これでエンドマークということはなく、これからもジードはさらに強くなっていくことでしょう。まだ見ぬ新たなウルトラマンといつか並び立つ日を夢見ながら、ひとまずはお別れです。