BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

牙狼-GARO- -VANISHING LINE- 第21話感想

 騙されていたとはいえホラーの企てに手を貸し、結果として多くの人の死を招いた兄を、ホラーと化す前に手にかけようとするソフィ。そんな妹から逃げ出し、ガルエデン社の中をさまようマーティンは、やがて・・・。

 悪意などとは無縁の、ただ幸せになりたいという当たり前の願いを持つ人が、望むと望まざるとに関わらずホラーに関わってしまったがために、最悪の結末を迎える。通り魔に出くわしてしまったようなそんな残酷な結末を迎えた人間を、これまでの牙狼シリーズで何人も目にしてきましたが、マーティンほど残酷な結末を迎えてしまった人間は見たことがありませんね。境遇としては仮面ライダーV3ライダーマン・結城丈二に近いですが、彼のように不幸な境遇を乗り越えてヒーローになる機会などこの物語にはなく、絶望の末に妹の目の前で、指輪から沸き出したホラーに喰われるという結末を迎えることに。そしてやはり、彼がこのような結末を迎えることが、ホラーたちがキングと呼ぶ古のホラーを人間世界に呼び出すための条件だったのか。マーティンを騙す際にソフィも一緒に連れてくることぐらい、ホラーたちにとっては容易だったはず。それをしなかったのは、このように「最愛の妹によって知らずに犯していた大罪を糾弾される」というマーティンにとって最悪の結果をもたらすことが目的だったとすれば、ホラーたちの計算高さに背筋が寒くなります。そしてついに現れた、古のホラー。のっぺりしたとらえどころのない姿が、逆に不気味さを感じますね。誰よりもキングに忠誠を誓っていたクイーンが、その降臨を目にすることなく、わりとあっけなく倒されてしまったのも意外でしたが。