BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーリバイス 第8話 感想

 ようやく退院した幸美の退院祝いとして、温泉旅行へとやってきた五十嵐家。しかしそこには従業員を装って潜伏するデッドマンズ三幹部、そしてこの機会を一輝を幸せの頂点から地獄に突き落とすための最大の好機と目論むカゲロウの企みが待ち構えていた…。

 

 家族水入らずの温泉旅行と洒落こんで来てみれば、着いた先には敵も味方もおなじみの面子が勢ぞろいしていて、ちっとも家族水入らずではないこの旅行。特に五十嵐家崩壊をその目で見たいというアギレラの希望があるとはいえ、仮にも組織のトップでありながら自ら旅館の従業員に化けて潜り込んでるデッドマンズの連中には「働き者だねぇ…」と半ば呆れてしまいました。昔、第一作の「仮面ライダー」でおやっさんたちが南紀白浜に旅行に出かけたら、そこでは偶然ショッカーが秘密基地建設を進めていて、ドラム缶の後ろから姿を現した地獄大使おやっさん一行を見て「面白いことになりそうだわい」と言いながらまたドラム缶の後ろに隠れる…というコントのようなシーンがありましたが、それを思い出しました。そうまでして潜伏してたわけですが、手を出すなと言われていたにも関わらず一輝に毒を盛ろうとしてカゲロウの怒りを買うアギレラ。曰く「命令されるのが嫌い」らしいですけど、カゲロウとは今のところ仮にも協力関係にあるわけで、「手を出すな」というのはその協力をするうえで向こうが出してきた「条件」なんですから、当然守ってしかるべきものでしょう。それを「命令」と受け取って面白くないから勝手に行動して協力相手の怒りを買うって、そんな基本的な社会契約もろくに果たせないアギレラがリーダー(というより、新興宗教の教祖のような「偶像」と言った方が正しいのでしょうが)やってるデッドマンズという組織が不安でなりません。

 

 そんなアクシデントはあったものの、目論見通り最高(最悪)のタイミングで一輝をぶん殴り、家族の幸せをぶち壊すことに成功したカゲロウ。ただ、ネットでも言われていましたが、大二のふりをし続けていたままの方が一輝の心を傷つけるにはより効果的だったのに、あえて自らが大二の中の悪魔であることを明らかにしたということが、そうしなければ自らの存在を他人に知らせることができないのでそうせずにはいられなかったのであろうカゲロウのアンビバレントな心情を伺わせますね。カゲロウのように誰かを倒すことだけをアイデンティティとするものは、いざその相手を倒したらその先はどうするのか、という自我喪失の危機を抱えており、かつて光明寺ハカイダーはそれが元で暴走したわけですが、果たしてカゲロウはどうなるのか。

 

 そんなカゲロウの思惑とは全く関係ないところで何やら企んでいたらしいけど、全く蚊帳の外に置かれてただただ戸惑うだけだった牛島家。彼らもデッドマンズのシンパだったというのがある意味今回一番驚いたのですが、これは次回以降どういう展開を見せるんでしょうか。