BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンデッカー 第10話感想

 怪獣を倒しては去る、という行動を繰り返す謎の怪獣、ネオメガス。その背景に人為的なものを感じ取ったカイザキ副隊長は、調査に乗り出すが…。

 

 カイザキ副隊長をメインに据えた初の回となった今回は、研究畑出身である彼女らしい、科学の在り方についての話でしたね。ネオメガスも含め元ネタとしてはダイナ16話「激闘!怪獣島」のオマージュですが、怪獣を人為的に支配しようとする科学者との対決、という点では同じでも、今回はこちらにもカイザキ副隊長という同じ科学者が存在することで、「怪獣への恐怖から理想を捨て誤った方向へと走った科学者」対「あくまで理想を抱き困難な現実と向き合っていこうとする科学者」、という対称構造を持ち込んだのがよかったですね。その象徴のような、デッカーの掌に立つカイザキ副隊長とネオメガスの掌の上に立つシゲナガが対峙する光景もまたかっこよかったです。ウルトラセブン18話「空間X脱出」でキリヤマ隊長の言った「神なき知恵は、知恵ある悪魔を作る」という言葉を思い出しました。「知恵」を「理想」と言い換えれば、これは今回の話にも当てはまる言葉でしょうね。

 

 戦闘シーンでは、デッカーの窮地に駆けつけてすんでのところでアームでデッカーを抱え上げ急上昇するGUTSホークがかっこよかったですね。合体、とは厳密には言えないでしょうけど、グリッドマンと同じ、地球人の作ったメカとウルトラマンとの合体がついに実現したかと、感慨深かったです。