BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンブレーザー 第16話感想

 とある工事現場でボーリング作業中に開いた巨大な穴。その穴をのぞき込み「何か」を見た作業員たちは皆恐慌状態に陥ったが、なぜか彼らが見たと証言する「何か」の姿はどれも異なるものだった。その調査のさなか、テルアキ、アンリ、ヤスノブも同様の事態に陥る中、新技術が搭載されたアースガロンに単身搭乗したエミに出撃の時がやってくる…。

 

 深淵を覗く者はなんとやらと言いますが、その言葉通り、穴を覗いた者の脳に作用する光を放って最も恐ろしいものの幻覚を見せるという能力を持つ地底怪獣、モグージョン登場。この能力、外敵を近寄らせない目的に使用するにも、獲物を捕食するために恐怖で硬直状態にさせる目的にも使用できるという、なかなか理にかなった能力ですね。これを喰らったアンリはタガヌラー(というか虫)、ヤスノブはカナン星人と、それぞれ嫌な思い出があるものの幻覚を見たのはわかるのですが、テルアキ副隊長が見たのはなぜか、おはぎ。キャリア的にゲント隊長に負けないぐらい対怪獣戦闘を経験して幾度も修羅場をくぐってきたはずの彼が、どんな怪獣よりもおはぎが怖いって…。まぁ逆に考えれば怪獣に関してはそんなに恐怖心を持っていないということでもあるので、頼もしいと言えば頼もしいのですが…。

 

 そんなこんなで自力で幻覚(大破したアースガロン=部下の死か?)を振り払ったゲント隊長を除いて皆病院送りになってしまったので、唯一基地に残っていたエミが単身でアースガロンに搭乗して出撃することに。普通なら初出撃の彼女には無茶なところですが、今回からアースガロンには操縦サポート用のAI対話システム「EGOISS(イーゴイス)」が搭載。そのサポートを受けて彼女は戦うわけですが…EGOISSの声は、なんと石田彰ボイス。これで三大特撮作品制覇おめでとうございます…と言いたいところですが、ただでさえオタクには胡散臭いとか裏切りそうとかいうイメージが刷り込まれてるのに、日曜朝であんなふざけた蟲野郎を演じてる真っ最中のせいで、余計に信用できないのが勝手ながら気の毒に思います。

 

 一見してウルトラマンタロウに出てきそうな見た目をしたモグージョンですが、先述の精神攻撃だけでなく、明確に人を喰おうとするわ、ブレーザーが投げたレインボー光輪をキャッチして投げ返すわ、腕は伸びるわ頭のトサカが掘削用ドリルのように回転して襲ってくるわで、その見た目からは想像できないようなえげつない生態と強さと多芸ぶりを見せてブレーザーを苦戦させることに。エミもモグージョンの光を喰らって一時戦闘不能に陥るものの、仲間からの応援を受けて復活し起死回生の攻撃でブレーザーをサポート。そして、光を見ないように目を閉じる(見た目には光が消えただけですが)という奇策で対抗したブレーザーは、最後はチルソナイトソードで見事モグージョンを倒したのでした。それにしても、幻覚攻撃を喰らったエミにはモグージョンが自分自身に見えていましたが、彼女がどんな理由で自分に恐れや嫌悪を抱いているかは、片鱗らしきものはこのあいだの件で描かれましたけど、今後に関わってきそうですね…。