BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

機界戦隊ゼンカイジャー 第26カイ! 感想

 ゼンカイジャーとの決闘に敗れた後、イジルデの手によって強化改造を施され復活したステイシー。そこで彼は、イジルデの研究室で冷凍保存されていた美津子博士を目撃し、その身を案じていたヤツデのことを思い出す。一方介人も、何度退けても挑んでくるステイシーと戦わなくて済む道はないか思い悩むが…。

 

 このあいだの決闘に引き続き、またもこの番組らしからぬ全編シリアスなノリで展開する話。もう本当にこの番組のシリアス展開ときたら、完全にステイシーに頼り切ってますね。そんなステイシーも当初の予定では登場させる予定ではなく、介人役のオーディションに来た世古口さんを落とすのがあまりにも惜しかったので急遽用意したキャラというのが、もはや信じられないぐらいです。そんなステイシーですが、強化改造されたというだけはあり、ミサイルやらなにやら本人の武器が強化された上、偽物戦隊召喚能力も強化フォーム戦士を召喚でき、バトルシーザーロボに代わって用意されたブラックジュラガオーンはゼンカイジュウオー相手でも有利に戦いを運ぶ強さと、もはやヨホホイに一方的にやられてた頃の俺じゃないと言わんばかりのパワーアップ。まぁ本当にここまで連戦連敗のいいところなしだったので、そろそろこのぐらいの優遇がされないと見てるこっちも可哀想なんですが。

 

 何度も諦めずに襲ってくるステイシー。彼と戦うことに感じていた迷いに対して、ステイシーがこちらを倒すまであきらめないなら、こっちもステイシーの気持ちが変わるまで何度でも受けて立つだけだ、と覚悟を決めるのはいかにも介人らしかったですね。ここまで他人思いだと普通見てて不安になりそうなものですが、介人は決して自分をおろそかにしてるわけではないし、自分も周りもみんなが幸せになるために全力全開で突っ走っているのが見てて気持ちいいですし、その覚悟にこれまた全力全開で付き合う覚悟を決めるジュランたちもまた、これこそスーパー戦隊です。なおも激戦は続きましたが、意識を取り戻した美津子がトジテンドから脱走したという報が入り、勝負は水入りに。次回、これまでワルドに組み込まれていた数々の異世界が、いよいよそのトンチキな全貌を明らかに…?

仮面ライダーリバイス 第1話 感想

 1971年、中南米の遺跡から悪魔との契約を可能にするスタンプが発掘された。その遺跡からともに発見されたミイラ「ギフ」を崇めその復活をもくろむ悪魔崇拝組織「デッドマンズ」と、それと敵対する政府特務機関「フェニックス」。家族とともに銭湯を切り盛りする五十嵐一輝は、フェニックスの隊長に任命されることになった弟・大二の任命式に家族や常連客とともにやってくるが、そこをデッドマンズが襲撃し…。

 

 ついに始まった仮面ライダー生誕50周年作品、仮面ライダーバイス。既にスーパーヒーロー戦記の併映作品とセイバーの増刊号で、一輝とバイスのコンビがどんなものかはだいたいわかっていましたけど、改めて始まってみるといろいろ驚かされましたね。悪の組織とそれに対抗する人類側の組織の存在がともに一般市民にまで周知されてるのは過去の作品でもありましたが、両親も兄弟も健在で和気あいあいと実家の銭湯で食卓を囲んでいる一輝の暮らしぶりは、スーパー戦隊ではちょくちょくあっても仮面ライダーではついぞ見かけなかったもので、まっとうな暮らしを送っていることがむしろヒーローとしては異色。そんなまっとうな暮らしを送ってるからこそ、一輝が変身する前から彼の前に現れていたバイスの、ドラえもんオバQのような日常風景にいる非日常存在ぶりが際立つのですが。先行登場では無軌道な暴れっぷりや第四の壁を突破してこっちに話しかけてくるおちゃらけた性格が前面に出ていましたが、今回は家族の命の危機につけこんで一輝に契約をするよう言葉巧みに唆し、まんまと実体化したら一輝の母の幸美を襲って喰おうとしたり、悪魔というだけはある狡猾さ、腹の内の読めなさも見せていて、無茶苦茶な言動も残虐な本性を隠すためのカムフラージュなのではないか?という見方もできて、一筋縄では理解しきれない面白い奴になったなと思いました。そもそもバイス自身が「お前の心の中の悪魔」と一輝に名乗った通り、一輝が自分でも気づかぬうちに心の奥底に封じていたペルソナみたいなものがバイス、という可能性もあるわけで、そんなバイスが幸美を襲ったということは…と、なかなか不穏な深読みもできてしまいそうなのが、恐ろしくも期待は持てますね。この作品、ただ楽しいだけでは決して終わらないでしょう。期待と恐れを心に抱えながら、また一年間、悪魔と相乗りするとしましょう。

ウルトラマントリガー 第7話感想

 ある夜、突如空から落下してきた謎の巨大ロボット。その内部に調査に入ったケンゴたちは、そこで一人の青年と出会うが…。

 

 トリガーの放送開始前から既にアナウンスされていて楽しみにしていた、ウルトラマンZとの共演回。冒頭からキングジョーSCを盗んで逃げるバロッサ星人(4代目)と、それを追うゼットと宇宙セブンガー。声だけの出演とはいえ、ヨウコも登場したのはファンにはうれしいサービス。ブルトンを使って四次元空間を生み出し逃走を図るバロッサ星人。なんだかブルトン、最近はこんな役回りばっかのような気がするのですが。セブンガーをかばったゼットは、キングジョーSCとともに四次元空間に引きずり込まれてしまい…。

 

 ところ変わってトリガーの宇宙。キングジョーSCはここに落下しており、その内部に調査に入ったケンゴたちは、中で修理を試みていたハルキと遭遇。ナースデッセイ号に招かれて早々、ケンゴがトリガーであることを見抜いてあやうくバラしそうになるハルキ。二人とも隠し事が下手なタイプなので見ててヒヤヒヤしますね。で、例の変身するときに入るゼットさん空間にケンゴとアキトを連れてゼットを紹介し、事情を説明するハルキ。ゼットも歓迎しちゃってますし、もうなんだか応接間みたいな感覚。ゼットライザーは壊れてしまい、ウルトラメダルも四次元空間でのゴタゴタの中でバロッサの連れている変な鳥(ベビーザンドリアス)に盗まれてしまって変身できないハルキのために、ゼットライザーの修理とGUTSスパークレンスでの代用を頼むケンゴ。いや、軽く頼んでるけど無茶苦茶な頼みだぞ。GUTSスパークレンスの方はなんとかしちゃいましたけど、もしゼットライザーの修理までできちゃったら、ケンゴの技術は光の国の宇宙科学技術局のエースたるヒカリにも匹敵することになっちゃうんですが…。

 

 一方、同じくこの世界に飛ばされ、落っことしていたジュランの種を探すバロッサ星人。今回のは本人はバロバロ言うだけ(声は田口監督)で日本語はしゃべらず、肩に乗ってるベビーザンドリアスがリアルタイムで通訳するという、またおかしな会話のシステム。そもそもザンドリアスが日本語をしゃべってるのがおかしいのですが、ことZ絡みとなると何が起きてもおかしくないですからね。と、そこへケンゴたちの会話を盗み聞きしていたイグニスが登場。海賊とトレジャーハンターの価値観の相違から、傍から見れば目くそ鼻くそとしか言いようのない言い争いをはじめ、そこから互いに持ってるお宝自慢へと発展。特にバロッサが持っていたコダイゴンジアザーの鯛は笑いました。コダイゴンジアザー自体、簡潔に言えばものすごく特殊な事故で生まれた怪獣で、メビウスに出てきた奴以外ほかの個体なんかいるわけないんですが、どうやってこんなもの手に入れてきたのやら…。このお宝自慢のどさくさに紛れてウルトラメダルを盗んで逃げたイグニスを追いかける途中、偶然ジュランの種を見つけたバロッサはそれを飲んで巨大化、イグニスを追い回し踏みつぶそうとする。いや、お前キングジョー盗んで逃げてる途中だろ。本来の目的忘れるなよ。

 

 この騒ぎにケンゴがトリガーに変身して応戦。ここでバロッサはあの「鯛」を持ち出してトリガーに投げつけ、鯛は「商売繁盛」と連呼しながらトリガーにかみつきまくるという、無駄に忠実にオリジナルを再現した強敵ぶりを発揮。一方、GUTSスパークレンスに変身機能をコピーしてもらったハルキでしたが、アキトの説明を最後まで聞かずにゼットさん空間に入って変身しようとして、銃モードのまま引き金を引いたばっかりに発射されたビームがゼットのつま先を直撃。一時途方に暮れるも、「ちょっと、そこ開くんじゃないの?」とか言いながらどうにかこうにか本来の使い方にたどり着いて変身に成功。このグダグダぶり、実家に帰ったような安心感ですね。変身早々バロッサに飛び蹴りをかまし、くっついていた鯛をひっぺがしてトリガーを助けるゼット。バロッサ星人相手となればもはやおなじみのドタバタの戦闘を繰り広げるものの、ゼットとハルキを探していたベリアロクが到着。「急に別の次元に飛ぶんじゃねえ! 探しただろが」って、来月でようやく登場から1年経つぐらいのに完全に物言いが保護者のそれですよ。さすがにこうなってしまえばもう進退窮まり、バロッサは2代目と同じく逃げようとしたところをあえなくやられてしまうのでした。

 

 盗まれていたウルトラメダルはイグニスから返してもらえたものの、ハルキがキングジョーSCを連れてもとの宇宙に変える手立てはいまだなし。そんなところへ来週、ものすごく久しぶりの登場となるあいつが…!?

機界戦隊ゼンカイジャー 第25カイ! 感想

 トジテンドが送り出してきたヒドケイワルドによって、トジテンドが侵略を開始した日まで時間が巻き戻されてしまう。時間を巻き戻してゼンカイジャーの結成を妨害しようとするヒドケイワルドだったが…。

 

 ゼンカイジャーに勝てないからといって、とうとう時間を巻き戻してゼンカイジャーの結成を妨害しよう、というスケールはでかいけどなりふり構わぬ作戦に打って出たトジテンド。が、ヒドケイワルドがゼンカイジャーの結成を妨害しようとバラシタラやイジルデに協力を求めるものの、過去の彼らは当然ヒドケイワルドのことなど知らないので、ひたすら邪険にされて痛い目に遭わされるというひどいことに。過去の時間の知り合いに自分のことを信じてもらえないって、バック・トゥ・ザ・フューチャーみたいにタイムスリップものの主人公が苦労するポイントなのに、どうして悪役のこいつが苦労する側に回るのか。ステイシーにもゾックスが現れる直前に「界賊に気をつけろ」と警告するものの、ゾックスのことを「歌って踊るわけわからない奴ら」としか説明できなかったので、「わけわからないのはお前だ」とやっぱり撃たれるヒドケイワルド。「歌って踊るわけわからない奴ら」としか言えないのは事実だし、そんな奴が現れると言っても信じてもらえないのは当然だしで、どう考えても詰んでます。どこまで始末に悪いんだ、あのヨホホイ。まぁ、仮にステイシーが信じだとしても、根が素直なステイシーではあの暴虐極まるヨホホイ相手にどこまで気を付けることができたやら。結局ボコられ騙され弱みをつかまれ強請られることになったんじゃないでしょうか。そうこうしているうちに最初に時間を戻した時点まで進んでしまい、改めて時を戻そうとしたものの、実はずっとセッちゃんから通信を送られていたゼンカイジャーはヒドケイワルドのことなど先刻承知で、あっさり撃破されてしまうヒドケイワルド。みんなから信じてもらえたセッちゃんとは対照的に、仲間の誰からも信じてもらえず、半年間無駄な努力と知らずに頑張った挙句あっさりやられ、怒り心頭のボッコワウスに巨大化のチャンスすら与えてもらえなかったとは、こんなにかわいそうな怪人がかっていたでしょうか…。

仮面ライダーセイバー 増刊号 感想

 メギドとの戦いが終わり、世界終末の危機も去り、のんびりムードの日々を送っていた飛羽真たち。そんな時、ルナとの約束の場所を再び訪れた飛羽真と賢人は、そこで一人の少女に襲いかかる怪物を目撃。変身して戦いを挑むが、そこへ妙な奴が乱入してくる…。

 

 先週のバカンスワルドの影響が一週遅れでやってきたような、浮かれポンチのバカンスモードの剣士たち。そこに現れた新たな怪物と、それと戦う新たな仮面ライダー。ライダーの最終回後の最後の一話としてはおなじみの、かつ久しぶりな話。しかし、やっぱりバイスのキャラは強烈ですね。スーパーヒーロー戦記で見ていたので笑って見ていられましたけど、これが初見だったら開いた口がふさがらなかったでしょう。一輝が変身していないときはバイスが耳から出てくるというのは初めて見ましたけど、まぁ鼻とか口とか尻とかから出てこられても困りますからね。一方で、物語としては飛羽真と賢人とルナを彷彿とさせる関係性の幼馴染3人を助ける物語として展開したのが、この作品の最後を締めくくるにふさわしかったですね。「約束を守らないと絶対に後悔する」とは、飛羽真の口から出るとこんなに説得力のある言葉はありません。一方、倫太郎は決戦前に約束していた通り芽依に言葉を伝えるものの、なにやら上手く伝わっていない模様。最後にペアルックで登場したので、一応最終的には伝わったんでしょうか。まさに大団円というかたちで終わりましたが、今後ソードオブロゴスは評議会制でやっていくというのが、スター・ウォーズのファンとしてはものすごく嫌な予感が…。

ウルトラマントリガー 第6話感想

 突如出現し、一日に一時間だけ動いては街を破壊するロボット、サタンデロス。トリガーの攻撃さえ通じない強固なバリアの前に、GUTS-SELECTも万策尽きたかと思われたが、そこへ現れたイグニスが意外な提案を持ち掛ける…。

 

 トリガーに登場したギガデロスが、(おそらくはヒュドラムによって)改造されたと思しきサタンデロスが登場。トリガーの技さえ通用しないバリアという新たな能力を備えましたが、その代わりギガデロスの最大の強みであった、攻撃を受ければ受けるほど分裂するという能力はオミット。正直、バリアなんかよりこっちの方がよっぽど厄介だと思うのですが…。おまけにバリアがものすごくエネルギーを食うのか、一日に一時間しか活動できないほど燃費も劇的に悪化。正直、改良どころか改悪としか思えないし、ヒュドラムのメカニックとしての腕前を疑わざるを得ません。まぁ、闇の巨人にメカニックの腕を求めるのが無理な話なんですが…。

 

 とはいえ、正攻法のやり方では打つ手なしというところまでGUTS-SELECTやトリガーを追い込んだので、強敵であることは事実。そこへ現れ、サタンデロスの弱点を伝え、なおかつそこを突くためのリスキーな役回りまで引き受けたのがイグニス。「他人の星を土足で荒らす奴が気に入らないだけ」というのが協力の理由でしたが、ただ気に入らないというだけでこの男がここまでするのはどうも腑に落ちない…と思っていましたが、意外や意外、結局最後まで何の見返りも得ずに、サタンデロスを倒しヒュドラムを退けたらそのまま去っていきました。まぁ、イグニスの母星を滅ぼしたのはやっぱりヒュドラムだった、という事実が判明したので、イグニスにとってはヒュドラムの目論見を潰すならロハでも構わないぐらいヒュドラムのことを憎んでいるということなんでしょうね。そして彼は、ヒュドラムの息の根を止めるにはさらなる力が必要だと改めて決意しましたが…。

ウルトラマントリガー 第5話感想

 この世界に最初に現れた怪獣、デスドラゴが6年ぶりに出現した。両親の仇であるデスドラゴに対し、アキトは憎しみをむき出しにして命令違反まで犯してしまうが…。

 

 番組が始まって早々2週連続総集編という前代未聞のことになっていましたが、ようやく本編エピソードの続き。闇の三巨人を除いては完全新登場の怪獣であるデスドラゴが登場。この作品の世界で初めて出現した怪獣ということですが、鹿の角のように複雑に枝分かれした角を除いては、ベムラーやゴルザといった歴代の第1号怪獣に倣ってか、オーソドックスな二足歩行怪獣といった見た目の怪獣ですね。なぜか頭の片側にしか生えていなかい角がやはり初見では目につきますが、実はその片側の角こそ、6年前にシズマ会長が登場したGUTSウイングの攻撃により欠損していたことが判明。いや、今回は本筋よりなによりこっちの方が気になって仕方ありませんでした。まんまGUTSウイング1号と同じ機体が出てきたうえに、主翼にはご丁寧にこの世界には存在しないはずのTPCのマーキングまで。シズマ会長、あんたほんと何者なんだよ…。さらに、カルミラが闇の力で強化したデスドラゴを使ってトリガーをおびき寄せたうえで、ダーゴンがユナ=ユザレの確保に動くというセコい…もとい、悪賢い作戦を同時展開しますが、なんやかんやあってユナに「お前たちなんかに人間は負けない!」という叫びとともにビンタを喰らったダーゴンは、捨て台詞を残してなぜか撤退。海底に帰ってから「人間か…」と何か思わし気につぶやいていましたが、多分この人、カルミラ以外に女にぶたれたことなんてなかったから、あの場ではどう感情を取り繕ったらいいのかわからなくて帰っちゃったんでしょうね。なんかもう、ダーゴンを見るのがトリガーの最大の楽しみになりつつあるような気がします。それに対して、親の仇はトリガーが倒しちゃうし、ユナを守るために頑張ったものの最終的にはそのユナに決め手を持っていかれたアキトが不憫です。ティガの要素を半端に擦るせいで、話の本筋よりもそっちに目が行っちゃうのが悪いパターンにならないか、それが心配です。